男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:2度目のデート、カウンター席の下で手を繋いだ男。女が拒否しないからOKだと思ったら…
今日は、待ちに待った友美との初デートだった。クリスマスが近いこともあり、食事を早めに終わらせて僕たちはイルミネーションを見に来た。
「綺麗だね」なんて言いながら、灯りを見上げる僕たち。まさに“恋人たちのクリスマス”だ。
しかしそんな幸せな余韻に浸っていると、隣の友美が急に「帰る」と言い出した。
「寒いから、もう帰りましょう」
彼女はそう言うと、踵を返してタクシーを止め、「今日はご馳走さまでした」と言い残し、そのまま去ってしまった。
念願の初デート。素敵なお店でのディナーにロマンチックなイルミネーション…と、冬のこの時期のデートプランとしては、完璧だったはず。
それなのに、一体何がダメだったのだろうか…。
Q1:マッチング後の初デート。NG点は?
友美と出会ったのは、マッチングアプリだった。年末年始になるとひとり身だと肩身が狭くなり、焦りが募る。
前の彼女と別れて約半年になるし、そろそろ新しい恋を探そうと思い使ってみることにした。
すると、とんでもなく可愛い29歳の友美とマッチすることができたのだ。
― 初めまして、武雄です。
― はじめまして。ともみです。
そんな会話から始まり、何度かチャットを繰り返す。そして僕たちは自然な流れで会うこととなった。
しかし年末は忘年会などのイベントごとも多い。結局友美とは、クリスマス直前の週末に会うことになった。
お店は迷ったけれど、六本木にあるイタリアンレストランで、クリスマス特別コースディナーを予約することにした。
「遅れちゃってすみません」
「いえいえ、大丈夫ですよ。逆に、僕が早く着きすぎてしまったので」
5分ほど遅刻してきた友美。でも事前に遅れる旨の連絡が来ていたので、まったく問題ない。
「何を飲まれますか?友美さんは、何がお好きですか?」
「私は…ハイボールにしようかな。武雄さんは?普段は何を飲まれます?」
「僕は、最初の一杯はビールにしようかな」
近くの店員さんを呼び、二人のオーダーを伝えてから、改めて友美を見つめてみる。写真通り可愛いし、性格も良さそうだった。
「友美さんは、今代理店にお勤めでしたっけ?」
「はい。武雄さんは、人材系でしたよね?」
「そうですよ」
マッチング後の初デートは、お互い聞くことが多い。だから食事をしながらも、話は止まらない。
「武雄さんのお住まいは、神奈川のほうでした?」
「今、横浜に住んでいます」
東京へ引っ越してきても良いのだが、一度実家のほうへ戻って以来、やっぱり地元が好きで横浜に住んでいる。
それが友美にとって、プラスに働いたのか、マイナスに働いたのかわからない。けれども、友美は前のめりで質問してくる。
「今日はわざわざ東京に?職場が横浜の方なんですか?」
「横浜から東京なんて、すごく近いですよ(笑)。職場は東京なのですが、通える範囲なので」
「これからもずっと横浜に住む予定ですか?」
「それは相手次第というか…。でも横浜は好きなので、住み続けても良いかなと思っています。友美さんは、乃木坂ですよね?」
「そうです!だからこのお店にしてくれたんですか?」
「お家から近いほうが、来やすいかなと思いまして」
「優しい…。お気遣い、ありがとうございます」
友美の家の近くにある、デートの定番とも言えるお店を予約した。これも間違いではないだろうし、初対面だけれどとても楽しそうに話しつつ、聞き上手でもある友美。
「友美さんって、笑顔が素敵ですよね」
「ありがとうございます♡」
食事を終え会計が終わっても、まだ21時半だった。
「もう少し時間ありますか?」
「はい、もちろん」
こうして、僕たちは店を後にした。
Q2:外へ出た途端に女の態度が急変した理由は?
店の人からコートを受け取り、僕たちは外へ出た。
「友美さん、モコモコですね(笑)」
友美は白色のボアコートを着ており、かなり暖かそうだった。でもその感じがまた可愛い。
「そうですか?むしろ、武雄さんは寒くないんですか?」
「大丈夫ですよ。ストールがあるので」
僕は、薄手のコートにストールという寒そうに見える服装だったかもしれない。
「少し歩けますか?せっかくだから、イルミネーション見に行かないかなと思って」
「寒くないですか?歩けることは歩けますが」
「じゃあ…行ってみますか」
こうして、僕たちは歩きながら綺麗なイルミネーションを目指す。
「普段、友美さんはどういう感じの生活なんですか?」
「そうですね…。仕事終わりに友達と合流して、この界隈でご飯食べることも多いですね。武雄さんは?もっぱら横浜のほうですか?」
「いやいや。恵比寿とか中目黒とかも多いですよ。職場の人と飲む時は、虎ノ門とかもありますし」
「そうなんですね〜」
そんな会話を続けていると、目的のイルミネーションに到着した。
しかし想像以上に人が多く、僕たちは一瞬立ち止まる。
「すごい人ですね…」
「ですよね」
やはり、この人混みが悪かったのだろうか。途端に友美は静かになった。
しかし周りは素敵な家族や幸せそうなカップルが多く、いざその人混みに入ってみると、なんとも幸せな空気が流れている。
お互いに、その心地良くて美しい空間に思わずため息が漏れる。
「いいなぁ…。イルミネーションを好きな人と見られるって、最高に幸せな時間ですよね。冬のデートの醍醐味って感じがして、好きなんです」
友美の言葉に、僕も強く頷く。
「わかります。やっぱりいいですよね」
美しいイルミネーションに照らされた友美はとても綺麗で、僕は思わず見惚れてしまった。
しかしもう少し一緒にいたくて、座れる場所を探そうとした時だった。
「せっかくだし、ベンチとか空いてないかな」
そう僕が言うと、友美が急にソワソワとし始めた。
「寒いから、もう帰りましょう」
「え?」
友美の突然の言葉にびっくりする。しかし僕に引き留める権利もなく、結局、友美が乗り込んだタクシーを見送りながら、僕は呆然と歩道に立ち尽くす。
― 急にどうしたんだろう。
そう思った。しかも結果として、このデート以降お礼のLINEをしただけで、それ以降友美から返事が来なくなってしまった。
冬のデートプランは、完璧だったはず。
それなのに、どうして…?何がダメだったのだろうか?
▶前回:2度目のデート、カウンター席の下で手を繋いだ男。女が拒否しないからOKだと思ったら…
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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冬のデートのNG事項とは
「冬のデートで、これはNG」マッチング後の初デート。女性が32歳男に幻滅したワケ
東京カレンダー 2024/12/21 05:01