[GⅠ朝日杯フューチュリティステークス=2024年12月15日(日曜)2歳、京都競馬場・芝外1600メートル]
結果的に収得賞金400万円の馬でも抽選なしで出走できることになった今年の朝日杯FS。ただ、1勝馬にとってはエントリーの全貌が見えてくる1週前あたりにならなければ、参加確実性は分からなかったはずだ。その中の一頭であるアドマイヤズームに、早くから鞍上・川田が決まっていたという。こんな〝光景〟、最近どこかで見たような…。
今年のエリザベス女王杯だ。フルゲート18頭のところに19頭が登録し、ラヴェルは出走順位最下位の除外対象だった。しかし、騎乗予定騎手には川田の名が…。結果、上位馬に回避する馬が出たため、そのまま川田鞍上で出走にこぎつけ、12番人気2着に飛び込んだ。
出走できるかどうか微妙な馬に川田を配置するという行為は、それだけ陣営の気持ちが入った采配ということが言えるのでは? それだけに今週のアドマイヤズームも、怖い。
「脚色がすごかったですね。最初はジリっぽい感じだった馬が瞬発力を身に付けて切れる脚を使う。こんな短期間で馬は変わるのかと、驚きますよ」
1週前追い切りを終えた直後の陣営(石橋助手)の言葉だ。荻野極が騎乗してのウッド併せ馬。楽な手応えでラスト11・1秒を叩き出し、あっさり僚馬に先着。ゴールした後もグイグイ伸びていた姿が印象的だった。
「最初はテンションに気をつけないといけない馬だったんですが、使うごとに落ち着きが出て、今では普段から余裕がありますからね」と石橋助手。3か月で馬が驚異の激変を遂げたのであれば、初戦4着は無視していい。見るべきは前後3ハロン34秒0→35秒1のタイトな流れを2番手で追走して、最速上がりで後続を3馬身シャットアウトした前走の走りだ。
「内回り、外回りの違いはありますけど、同じ週のデイリー杯2歳Sより勝ち時計は速かった(1分33秒9、1分34秒7)ですからね。もともとデビュー戦を勝ってデイリー杯2歳S、朝日杯FSに行こうと思っていたぐらいの馬なんです」とは大江助手だ。
友道厩舎の朝日杯FSといえば2021年に勝ち、日本一にまで輝いたドウデュースが鮮明だが、アドマイヤの冠名となれば18年アドマイヤマーズがダブる。ひょっとしたら、デビュー4連勝Vを決めたあの時と同じぐらいの自信を、厩舎サイドは抱いているのかもしれない。
著者:東スポ競馬編集部