オープンモデルなのに最高時速420キロ!? ブガッティ最後のW16エンジン搭載車「W16ミストラル」ってどんなクルマ?

ブガッティは、W16エンジンを搭載した最後のモデル「W16ミストラル」の納車を開始したと発表しました。いったいどんなクルマなのでしょうか。

「W16ミストラル」の第一号車はアメリカへ

 ブガッティは2025年2月19日、W型16気筒エンジンを搭載した最後のモデル「W16ミストラル」の納車を開始したと発表しました。

 最初のW16ミストラルはアメリカのオーナーに届けられ、これを皮切りに順次世界各国のオーナーのもとへ渡る予定です。ブガッティにとってW16エンジンはブランドの象徴ともいえる存在であり、このミストラルはその歴史を締めくくる特別なモデルとなります。

 W16ミストラルに搭載されるのは、8リッターW型16気筒クワッドターボエンジンです。2019年に「シロン・スーパースポーツ300+」が時速490.484kmの世界最速記録を達成した際に使用されたエンジンと同じもので、最高出力は1600馬力を誇ります。これにより、オープントップモデルとしては驚異的な最高速度420km/hを実現しました。2005年の「ヴェイロン」以来、ブガッティの名車たちを支えてきたW16エンジンですが、環境規制の強化や電動化の流れを受け、ついに幕を閉じることになります。ミストラルは、その最後を飾る記念碑的な存在です。

 デザイン面では、1930年代の「タイプ57ロードスター・グランレイド」から着想を得ています。V字型のフロントウィンドウはスポーティかつエレガントな印象を与え、空力性能の向上にも寄与しています。また、ブラックとイエローのボディカラーは、創業者エットーレ・ブガッティが愛した配色をオマージュしたものです。

 リアには特徴的な「X」字型のテールライトを採用し、クラシックな要素とモダンなデザインが融合しています。ボディ全体のフォルムは、車名の由来である風「ミストラル」のように流麗なラインで構成されており、視覚的なダイナミズムを感じさせます。

 ブガッティのインテリアは、徹底したクラフトマンシップによって仕上げられています。ドアパネルには伝統的なレザー織りを採用し、100年以上の使用にも耐えうる耐久性を備えています。ダッシュボードやセンターコンソールにはアルミやチタンの削り出しパーツを使用し、精巧な作り込みが随所に見られます。

 特に注目すべきはシフトレバーで、創業者エットーレ・ブガッティの弟であり彫刻家でもあったレンブラント・ブガッティの作品「踊る象」のデザインが施された琥珀が埋め込まれています。これは単なる操作部品ではなく、芸術作品としての価値も備えた特別なディテールといえるでしょう。

 W16ミストラルの生産台数は世界限定99台のみとされ、価格は500万ユーロ(日本円で約7億8800万円)と発表されています。希少性の高さもあり、すでにすべての車両が完売しており、今後2025年内に順次納車が進められる予定です。W16エンジンを搭載した最後のブガッティとして、その価値は今後さらに高まることが予想されます。

 W16ミストラルは、単なるハイパーカーではなく、自動車の歴史に名を刻むモデルとなるでしょう。圧倒的なパフォーマンス、美しいデザイン、職人技が融合したこの一台は、ブガッティのW16時代を象徴する最高傑作といえます。純粋な内燃機関を搭載した最後のモデルとして、そしてオープントップドライブの新たな魅力を提示する存在として、多くの自動車愛好家に記憶されることになるに違いありません。

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