ポルシェ「911」はなぜ今も愛され続けるのか!? “チャットGPT”と考える電動化時代のスポーツカーと変わらぬ魅力の理由とは

前回のコラムでは、生成AI「ChatGPT(チャットGPT)」に“おすすめのプレミアムSUV”を尋ねたモータージャーナリストの萩原秀輝さん。今回は話題をポルシェの電動化にシフトし、さらにチャットを深掘りします。EV化が進む時代にあっても「911」はなぜこれほど愛され続けるのか。AIとのやりとりから、そのヒントを探っていきます。

ポルシェの電動化をチャットGPTに聞いてみた!

 電動化が進む中、ポルシェの象徴ともいえる「911」はどうなる? 生成AI「ChatGPT(チャットGPT)」との対話を通じて、その未来を探ってみました。

 前回のコラムでは、生成AIの実力を確認するためにチャットGPTを使い“1000万円以下で買えるおすすめのプレミアム系SUVが知りたい”と質問。その答えは、ボクのコラムからご覧くださいね。ツッコミどころがいくつかあり、それについて解説を加えています。

 そもそも、生成AIアプリのタイトルの通りにチャットなのにあまり活用しなかったので今回はヤリトリをさらに深めたいと思います。モードは、ウェブから「検索」するではなくAIが理論的に考える「熟考」を選択。

 テーマは、クルマ好きの読者に関心がありそうなポルシェの電動化戦略についてです。言わずと知れた、スポーツカーのプレミアムブランド。BEV(電気自動車)専用モデルのタイカンに続いて新型マカンもBEV(現行型のエンジン車=ICE車との併売)になりました。それだけに、ポルシェのファンとしてはラインナップのすべてがBEVになってしまいそうで心配ですよね。

 まずは、ストレートに“ポルシェの電動化について教えてください。”と質問してみます。ところが、なぜか14秒で「検索」による回答が。それにしても、ポルシェのニュースルーム(広報資料)を含む海外のウェブの情報を整理して日本語で答えてくれるのだから人の能力をはるかに超えています。

 答えは真っ当で、電動化の歴史的な背景から始まりBEVの「タイカン」と「マカン」の概要を回答。さらに、次期型「718(ボクスター/ケイマン)」のBEVについての予告も。また、BEVだけではなく「パナメーラ」のPHEVを含むシリーズが2025年の第1四半期で27%の販売増を記録したというボクが知らなかった情報まで提供してくれます。

 ただ、ブランドイメージの維持という「熟考」からの解説の中で“電動化によって重量が増し、従来のハンドリング特性やアクセルレスポンスに影響が出る可能性があります”とも。アクセルレスポンスについては、エンジンよりもモーターの方が設定の自由度が高いはずです。

911はBEVになるのか? 変わらぬ魅力の正体を探る

 さっそく、チャットらしく“エンジンよりもモーターの方がレスポンスの設定自由度が高いのではないでしょうか”と質問。

ポルシェ新型「911 GT3」および「911 GT3ツーリングパッケージ」

 その回答は「熟考」により、わずか4秒後。内容は“おっしゃるとおり、理論上は「電動モーターのほうがアクセルレスポンス(=ドライバーの踏んだ量に対する車が反応する速さ)の設定自由度が高い」ことは間違いありません。”とのこと。ウッシッシ、してやったりと思っていたら続きも。

 1.エンジンとモーターのレスポンス特性の違いについて、自動車工学的にも分かりやすい回答が。そして、2.ではなぜ「アクセルレスポンスに影響が出る可能性」と書いたのか?と自己肯定に入りそうな勢い。実際にかなりの長文の後で、4.結論:EVだからこそ「レスポンスの自由度は高いが、あえて調整が必要」としています。

 さらに、「ポルシェらしい“しなやかさ”や“人馬一体感”と担保するためには、あえてアクセルレスポンスに“味付け(調整)”を施す必要があるため、アクセルレスポンスに影響が出る可能性がありますと表現したわけです」との回答が。

 なんだか、味付け(調整)を施す必要があるとしながらモーターの方が設定自由度が高いと認めていることに矛盾を感じますよね。この先は堂々巡りになりそうなので、質問のテーマを具体化してみましょう。

 ボク自身はBEVの絶対的な推進派ではないし、むしろICE車(内燃機関)はずっと残って欲しいと願っています。そこで、もっとも気になる“ところで、ポルシェ911の電動化はどうなりますか。”と質問。やはり、「検索」から21秒で日本のウェブ情報を交えた回答が。

 またも、真っ当でボク自身が持つ情報を一部で超えています。内容は、1.現状:ハイブリッド導入の始まり、2.中長期:さらなるハイブリッドの拡大とマイルドハイブリッドの導入予測、3.ピュアEVは2030年以降と続きます。ただ、気になるのは予測としながらも完全EV化はアリと結論づけていることです。

 そこで、チャットっぽく“10年以上先としても911の完全BEV化は避けられないのでしょうか”と質問。17秒で「検索」から回答が。やはり、現状から2035年以降のゼロエミッション規制などの解説を含めなかなか読み応えがあります。

 ところが、いくつかのウェブ情報を交えているからなのか“「純粋なBEV 911」が市場に出るかは不透明”とも。回答にブレがあるような気がしますが、見方を変えればゼロエミッションやユーロ7規制の対応などがどう展開されるかも不透明ということです。

 さらに、ポルシェが電動化だけではなくカーボンニュートラル燃料(E-Fuel)を積極的に研究しICE車への走行実験を展開していることも最初の質問時から繰り返し解説しています。それにしても、E-Fuelがカーボンニュートラル扱いとされなければ建前で終わることになりかねません。

 いずれにしろ、チャットGPTを通じた生成AIでも現状と中期的な解説はできても長期的なポルシェの電動化戦略については明言ができていません。それもこれも、情報の収集はボクを含めたジャーナリストたちの発信などに基づいているから。つまり、2035年以降の戦略なんてメーカーとしても確立しようがないということですね。

 ボクとしては、ポルシェというスポーツカーのプレミアムブランドを支えてきた911がICE車として存続すると信じています。E-Fuelのカーボンニュートラル扱いを期待していますし、なにしろBEVの911はプラットフォームからゼロスタートで開発する必要があります。ICE車としての併用は、911本来の走りを損なうはず。そんな911、ポルシェファンは望まないと思いますよ。

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