手取り収入に対して、貯金や投資に回す金額の割合は平均どのぐらいに上るのでしょうか。年代による違いや地域差はあるのかどうかも調べてみました。

●収入の中央値450万円、金融資産の中央値は419万円

 金融広報中央員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」によると、二人以上世帯の年間手取り収入(臨時収入を含む)は全年代の全国平均534万円(中央値450万円)、単身世帯では平均262万円(中央値220万円)でした。世帯主の年代別に見ると、以下になります。

【年間手取り収入】
20歳代:平均453万円(中央値400万円)
30歳代:平均535万円(中央値500万円)
40歳代:平均576万円(中央値500万円)
50歳代:平均687万円(中央値600万円)
60歳代:平均533万円(中央値400万円)
70歳以上:平均382万円(中央値300万円)

 「中央値」とは、金額順に並べたときにちょうど中央に来る金額を言うため、平均額より実感に近い人が多いのではないでしょうか。

 では金融資産保有額はどうなるでしょうか。ちなみに金融資産のない世帯の割合は二人以上世帯の23.6%に相当します。以下、保有世帯平均(中央値)非保有世帯を含む平均(中央値)の順で並べてみました。

【金融資産保有額】
<年代:保有世帯平均(中央値)・非保有世帯を含む平均(中央値)>
全年代:1,537万円(800万円)・1,139万円(419万円)
20歳代:220万円(165万円)・165万円(71万円)
30歳代:640万円(355万円)・529万円(240万円)
40歳代:880万円(550万円)・694万円(365万円)
50歳代:1,574万円(1,000万円)・1,194万円(600万円)
60歳代:2,203万円(1,200万円)・1,635万円(650万円)
70歳以上:1,978万円(1,100万円)・1,314万円(460万円)

 年収の中央値を見ると、50歳代世帯は20歳代世帯の1.5倍。ならば資産はというと、単純に収入に比例して増えるわけではなく、8倍ほどにふくらんでいます。20歳代世帯では収入の18%足らずの資産も、コツコツ貯めることで、50歳代世帯では年収と同額の資産が形成できているのです。

 また、会社員の多くが60歳代で定年を迎え、収入は減るのに対して、金融資産保有額は中央値で50万円の伸びを示しています。このことから受け取った退職金を資産形成に役立てている現実が見て取れます。

●預貯金残高の平均487万円は多いか少ないか

 では、預貯金の残高はどのぐらいあるのでしょう。金融資産を持つ世帯の全年代平均は657万円、金融資産を持たない世帯も含む場合は487万円です。以下、保有世帯平均と非保有世帯を含む平均で並べてみます。

【預貯金残高】
<年代:保有世帯平均・非保有世帯を含む平均>
20歳代:106万円・79万円
30歳代:322万円・266万円
40歳代:372万円・293万円
50歳代:586万円・445万円
60歳代:946万円・702万円
70歳以上:892万円・593万円

 金融資産のない世帯の割合は二人以上世帯の23.6%に相当するので、預貯金残高にもかなりの差が出ています。

●20〜30歳代は資産形成の年代。毎月10%は貯めていきたい

 年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合を参照してみましょう。金融資産保有世帯対象のアンケートを参照すると、全年代平均は8%、ただし「しなかった」世帯も32.6%に上ります。

【年代別:年間手取り収入からの貯蓄割合】(金融資産保有世帯)
<年代:平均割合・しなかった割合>
20歳代:10%・21.6%
30歳代:11%・19.1%
40歳代:9%・18.2%
50歳代:9%・25.1%
60歳代:8%・40.4%
70歳以上:6%・52.2%

 20代・30代が資産形成に向けて貯蓄に励む時期、50代は収入も増えるものの、子どもの教育費や住宅ローンなどの支払いで、貯蓄割合の減る世帯も増えます。60歳頃に退職金などを受け取り年金中心の生活に入ると、新たな貯蓄のできなくなる世帯の割合が増えていくのも当然の流れでしょう。

では、こんな貯蓄動向に地域差はあるのでしょうか? 

【地域別:年間手取り収入からの貯蓄割合】(金融資産保有世帯)
<地域:平均割合・しなかった割合>
北海道:6%・48.7%
東北:6%・42.5%
関東:9%・30.4%
北陸:8%・27.1%
中部:9%・27.1%
近畿:8%・32.2%
中国:7%・33.7%
四国:9%・28.8%
九州:7%・32.8%

 貯蓄しなかった人の多い地域は北海道・東北・九州で、北陸と中部地方が最も貯蓄している人の割合が高いことが分かりました。さらに貯蓄割合で見ても、数字の高い地域は関東・中部・四国の平均9%です。全国に共通して、収入の10〜15%未満を貯蓄に充てる世帯が最多(全国平均18.9%)ですが、貯蓄割合が収入の35%以上を占める世帯は、中部では4%、四国では3%に達します(全国平均は2.5%)。

 関東では収入の10〜15%未満を貯蓄に充てる世帯が16.9%と最も多く、中部では23.1%、北陸では23.6%に上ります(全国平均は18.9%)。さらに貯蓄割合が収入の35%以上を占める世帯は、中部では4%、四国では3%に達します(全国平均は2.5%)。

●臨時収入からガッチリ貯めているのは若い世帯?

 最後に臨時収入等からの貯蓄割合はどうでしょうか。全年代全国平均で見て62.9%の世帯が「臨時収入等があった」と答えています。うち貯蓄割合の平均は15%、ただし「しなかった」世帯も26.0%を占めます。

【年代別:臨時収入からの貯蓄割合】
<年代:平均割合・しなかった割合>
20歳代:25%・27.0%
30歳代:23%・24.0%
40歳代:17%・26.9%
50歳代:14%・29.9%
60歳代:11%・28.3%
70歳以上:7%・20.7%

 臨時収入があっても貯蓄しない人の多い地域は北海道(35.4%)四国(31.8%)東北(28.0%)で、貯蓄しない人が最も少ないのは近畿(22.5%)。臨時収入の50%以上を貯蓄に充てた人の割合は、北海道(2.7%)東北(7%)北陸(7.9%)中国(8.3%)九州(8.3%)四国(9.1%)関東(9.9%)中部(10.1%)近畿(11.4%)と並びます(全国平均は9.1%)。

 毎月コツコツ貯める北陸と、臨時収入をがっちり貯める近畿の差が顕著。道産子の貯蓄に頼らない姿勢も、すがすがしいほどですね。 <参考サイト> ・知るぽると:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年) https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/19bunruif001.html