生活している中で、住んでいる土地や生まれた土地でなんとなくヒエラルキーが決まっていることってありませんか。ヒエラルキーとはいっても社会問題のような大きなものではなく、そこに住んでいるからこそ感じるローカルな感覚で、ネット上でも度々取り沙汰される人気の高いネタのひとつといえます。

 そんな地域間のヒエラルキー=地域カーストはどこにでもありますが、観光地として魅力たっぷりの京都にも根強い地域カーストがあるというのです。そこで、今回は東京出身の筆者が、伏見区出身の知人の話を参考にしながら、千年の古都・京都に根付く地域カーストについて調べてみました。

●京都の中心は京都御所

 京都を語るのに欠かせないのが、歴代天皇が明治時代まで居住した京都御所。京都駅の北側に位置している御所こそが、京都の人たちにとっては京都の中心といっても過言ではありません。そのため御所周辺がヒエラルキーの上位となり、離れていくほどにが下がっていく、というのが基本的な構造になっています。

●洛中に生まれてこそ「京都出身」を語れる

 そんな御所を含み、かつて平安京があったあたりを「洛中」と呼びます。現在では碁盤の目のつくりになっているエリアで、京都府の中でも別格の地域。京都の人にとっては「洛中こそが京都」で、それ以外の地域は京都じゃないという考えを持つ人もいるそうです。そのため、「京都出身」とは「洛中出身」の言い替えとしても過言ではないんだとか。

 とはいえ、洛中に住んだからといって真の京都人として認められるかというとまた別の問題。外から洛中に引っ越したとしても、3〜5代以上住まないと「洛中の人」として認めてもらうことはできません。ただし、それより昔から洛中に住んでいる人からすると「所詮、よそものはよそもの」という見方はなくならないので、認められるのはあくまでも形式上といえそうです。

●京都ではないとまで言われる? 洛中の外側、洛外

 碁盤の目より外側のエリアは「洛外」と呼ばれます。洛中より外は、「京都ではない」「田舎」という扱いを受けることもあるんだとか。例えば京都市の隣に位置する宇治市は京都の名物でもある宇治抹茶が有名ですが、京都の人にとっては「宇治市から来たの?えらい遠くから来たね」「宇治抹茶は京都のものだけど、宇治は京都じゃない」と扱われることもあるそうです。

 こう書くと洛中の人が差別しているかのように見えますが、どうやらそうではない様子。京都市伏見区出身の知人も「一応市内出身だけど、市内出身としての意識は薄いですね。出身地を名乗る時は「京都出身」とはあまり言わず、お稲荷さん(伏見稲荷大社)のある伏見出身といいます」と語ってくれました。彼女の話を聞いてみると、こうした認識は洛中だけではなく、京都の人の共通認識だということが見えてきます。

●京都に生まれたプライドは高い

 洛中の人が洛中生まれであることにプライドを持っているのは前述の通りですが、洛外の人も京都に生まれた人間としてのプライドを強く持っています。洛外の人たちは洛中の人に「洛中以外は京都ではない」と言われることは仕方がないと思っていますが、ほかの人、特に府外の人に同様のことを言われるのは腹が立つんだとか。千年以上も日本の首都であった都に住む者としての矜持を持っていることがうかがえます。

 いかがでしたか? 普段は観光地としての印象が強い京都ですが、普段見えない京都の人たちの姿を垣間見ることができたのではないでしょうか。今回調べた中には知らなかったことが多数あり、それぞれの地域にさまざまな慣習があることが見えてきました。自分の地域にはどんなローカルルールがあるのか、周囲の人と話して見ると面白いかもしれませんね。


<参考サイト>

・京都人のカースト漫画が話題!こんなランク付けがあったのか・・・
http://blog.esuteru.com/archives/20009196.html

・魅力度ランキング2位「京都」に住んでわかる理想と現実
http://diamond.jp/articles/-/106024

・ほめられたら要注意!? 京都人の「ウラとオモテ」を楽しむ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48198

・『京都ぎらい』なぜ受ける 「洛外」育ちが本音トークぶちまけた
https://www.j-cast.com/trend/2016/04/02262983.html?p=all