大切に使っていてもスマホのバッテリーはどうしても劣化します。時間の経過による消耗はしょうがないのですが、せめてダメージを与えてしまう使い方はしないようにしたいところ。以前からよく言われている話に「一晩中充電したままにする」ことはよくない、というものがあります。実際のところどうなのでしょうか。

●ながら充電はNG

 例えばiPhoneでは、「フル充電サイクル」を500回繰り返したとき、元のバッテリー容量の80%を維持するように設計されているとのこと。「フル充電サイクル」とはバッテリー容量の100%を使い切ることです。これは必ずしも一度に使い切った場合だけではなく、75%を1日で消費し、夜にフル充電して翌日25%を消費するというパターンでも1回の充電サイクルとなります。

 これに従えば、仮に1日で100%を使い切るとすれば、約16ヶ月で80%程度の充電容量となることがわかります。電源に繋いだまま充電しながら使用すれば、残量表示は減らないのでフル充電サイクルにはならないのではないか、と思うかもしれません。しかしもちろんそんなことはありません。充電しながらの使用は確実にバッテリーを傷めます。特にゲームなど、スマホを酷使する使い方で本体の温度が上がってしまうような場合、劣化のスピードは一気に速くなるようです。ながら充電はバッテリーを劣化させます。

●就寝時の充電は問題ないとする意見も

 では寝ている間に充電するのはどうなのでしょうか。一般的にスマホは100%まで充電してしまうと、「トリクル充電」という状態に入ります。弱い電流でバッテリーに負荷がかかりにくい充電の方法です。放っておいてもスマホは電力を消費しますが、この消費した分の電力を絶えずトリクル充電で補給します。電流が弱くなっているとはいえ、充電をしている以上はやはりバッテリーに若干の負荷はかかり続けています。例えば睡眠時間が7時間だったとすれば、初めの1時間で満充電したとして、その後6時間トリクル充電を続けることになり、バッテリーは少しずつ傷むことになります。

 一方で、これは気にすることではないという記事もあります。Apple製品に詳しいiFixitは、どれだけバッテリーに仕事をさせているかにかかっており、携帯を充電しっぱなしにすることでバッテリー機能が落ちる事態にはならない、といった旨のコメントをしています。またAnkerも公式サイト上で「最新のモバイル機器の多くは、満充電になると自動的に給電が止まるよう保護回路が搭載されているため、寝ている間にスマホを充電したままにしても特に大きな問題はありません」とコメントしています。つまり、過充電されて問題が起こる状態は最近のスマホでは考えなくても良さそうです。

●就寝時の充電はできる限り避けたほうがいい

 就寝時の充電は問題があるのかどうか、簡単には結論は出ませんが、さまざまな記事で共通しているスマホのバッテリーに負荷をかけない使い方は「20%から80%の電池残量を保つこと」です。こう考えると、就寝中に充電を行えば100%に達してしまうことは間違いありません。この点においては満充電を繰り返すことによる劣化は起こりうると考えていいでしょう。ただし、特に就寝時に繋ぎっぱなしにすることが、バッテリーの劣化に大きな影響を与えるということではなさそうです。

 どちらにせよバッテリーは時間の経過で劣化します。これに加えて使用頻度が高ければ劣化が速くなるものです。ただし就寝中に充電していたところバッテリーに不具合が起きて発熱、火傷を負ってしまったという事故が複数報告されており、国民生活センターからは注意喚起されています。安全性の点まで含めて考えると、就寝時の充電はできる限り避けるほうがいいといえるかもしれません。

<参考サイト>
なぜリチウムイオンなのか?|Apple
https://www.apple.com/jp/batteries/why-lithium-ion/
iPhone のバッテリーとパフォーマンス|Apple
https://support.apple.com/ja-jp/HT208387
スマホを一晩中充電してはいけない理由|Life Hacker
https://www.lifehacker.jp/2021/01/phone-plugged-overnight.html
充電中の「寝落ち」注意 スマホ事故を再現、高温に|産経新聞
https://www.sankei.com/article/20210319-CM2Y5YQMR5LF5K7RRGQORCZBMM/