人はどんなときにマンション購入を決意するのか。首都圏と関西圏の新築マンション契約者の動向調査から、そのプロフィールを探ってみます。

●平均年齢38.8歳、共働きもシングルも

 今回のプロファイリングは、株式会社リクルートの住まい領域の調査研究を担うSUUMOリサーチセンターが調査したデータに基づくもの。同社では2001年から毎年同じ形式の調査を続けており、今回は首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で2021年1月から12月の間に新築分譲マンション購入契約を交わした7289件が対象となりました。

 契約時の世帯主年齢は、30〜34歳が26.9%で最多ゾーン、平均年齢は38.8歳となりました。ライフステージ別にみると、夫婦のみ世帯が32.7%とほぼ3分の1を占めます。次点は夫婦と子供の世帯のうち第一子が小学校入学前の世帯(27.2%)。3位にはシングル女性世帯が入っています(11.1%)。子どもあり世帯とシングル世帯の比率は約2倍ですが、これまでは3〜4倍の差をつけていたので、差は縮まった格好。マンション購入に占めるシングル率(18.0%)は過去最多になっています。

 気になる世帯総年収は、全体平均1,019万円。既婚世帯だけを見ると、共働きをしているほうが平均年収は高く1,087万円、共働きをしていない世帯では1,031万円となりました。ただし、モード値で見ると、最も多い層は1,200万円以上(21.3%)、次が600〜800万円(16.1%)ですから、年収が「買わない」理由にはなりません。

●購入価格は平均5,709万円、ローン借入が8割以上

 契約者のプロフィールが浮かんできたところで、契約されたマンションの平均像も見ておきましょう。

 購入価格は平均5,709万円ですが、モード値では6,000万円以上(35.6%)が最多ゾーン。続いて5,000〜6,000万円の価格帯が21.7%、4,500〜5,000万円が12.4%というふうに、高い順に並んでいます。6,000万円以上の高価格マンションは、とくにシニアカップル(50歳以上)と子どもありの既婚世帯では40%以上を占める人気です。

 これだけの金額を投入して入居できるマンションの平均専有面積は66.0m2と、調査開始以来最小記録を更新しました(2020年67.3m2)。モード値では70〜75m2が32.5%、60〜70m2が27.3%なのですが、シングル世帯のボリューム・ゾーンになっている50m2未満物件の多さが平均を引き下げているようです。

 さて、自己資金の比率はどうなっているでしょうか。2021年の自己資金比率は平均19.1%。シニアカップルでは全額自己資金というケースも多いですが、自己資金5%未満で契約に至る家庭も多く、夫婦のみ世帯(32.1%)でも子どもあり世帯(24.0%)でも最多となっています。契約物件が6,000万円だとすれば、自己資金300万円で、残りはローンというわけです。

 ローン借入総額は平均4,941万円。ローンの形態で増えているのは、世帯主と配偶者のペアローン(29%)で、共働き世帯の多さを反映しているといえるでしょう。

●同じ期間、関西の動向は?

 さて、同じ時期、関西圏の動向はどうなっているでしょうか。こちらは関西圏の新築分譲マンション購入契約者(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県)2220件のデータをもとにしています。

 世帯主の平均年齢は40.4歳と調査開始以来最も高く、ライフステージでは子どもあり既婚35%+夫婦のみ世帯32.7%で3分の2を占めます。その一方、シングル(18.7%)とシニアカップル(9.7%)も過去最多を更新しています。

 関西での契約者の平均世帯年収は854万円。モード値で見ると、最も多い層は600〜800万円(19.0%)、次が400〜600万円(15.5%)。首都圏より少なめの収入でも「家を持つ」決断をしていることがわかります。

 購入価格は平均4,780万円ですが、モード値では5,000万円以上(32.3%)が最多ゾーン。続いて3,500〜4,000万円の価格帯が21.9%と人気を集めています。平均専有面積は69.3m2と首都圏よりはやや広め。それでも入居できるマンションの面積は年々小さくなっています。

 関西圏の自己資金比率は平均24.3%。全額自己資金というケースはシニアカップル(52.6%)とシングル男性(22.7%)で目立ちます。一方、夫婦のみ世帯では0%(27.3%)、5%未満(23.2%)、子どもあり世帯では0%(22.4%)、5%未満(19.1%)。ほぼ全面的にローンを利用する家庭がほぼ半数を占めます。ローン借入総額は平均4,091万円、ペアローンの利用は2割程度に留まっています。

●マンション価格が上がり続けている理由は?

 国土交通省が作成する不動産価格指数を参照すると、2013年頃を境に、一戸建住宅や宅地の価格はほぼ横ばいなのに、マンションだけが高騰しているのがわかります。

 また、契約者がマンション購入を思い立った理由でも、「資産として有利」という実利派が首都圏では3割弱、関西圏でも26%を占め、「金利が低く買い時」「税制が有利で買い時」の理由も増加しています。

 物価も給料も上がらないのに、マンション価格はなぜ上がり続けているのでしょうか。価格上昇の理由としては、「公示地価の上昇」「建築費の高騰」「金融緩和政策の影響」「大手デベロッパーの台頭による高価格路線」「富裕層による高級マンションの需要増」などが挙げられています。

 2021年のオリンピック開催後、建築費は下落すると予測されていましたが、コロナ禍における在宅ニーズを反映したのか建築費も価格も据え置き傾向。首都圏でも関西圏でも林立する豪華なタワーマンション群を見るかぎり、この動向は当分止まりそうにありません。

<参考サイト>
・リクルート:プレスリリース
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2022/0315_10067.html
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2022/0328_10158.html
・国土交通省:不動産価格指数
https://www.mlit.go.jp/common/001465566.pdf