歩行中も運転中も、いったん道路に出ると避けて通れないのが信号待ち。赤・青・黄と変わる信号のタイミングは、いったい誰が決めているのでしょう。

●そもそも信号機ってなんのためにあるの?

 「あ、また引っかかった!」「えー? この信号、長すぎ」と、ちょっとイラッとさせられるのが赤信号。場所や時間帯によって変化があるようですが、信号が変わるタイミングを決めているのはいったい誰なのでしょうか。

 そもそも信号は「交通事故を防止」し、「車の流れをスムーズに」誘導。「交通環境を改善」する役割を持っています。最後の「交通環境を改善」とは、流れをスムーズにすることで車の停止回数を減らし、排気ガスや騒音などの交通公害、さらに二酸化炭素排出量を減少させるねらいを指しています。

 信号機が故障してしまったときなど、警察官が交差点に立って交通整理を行います。直進・右折・左折と、それぞれの車の目的をスムーズに果たし、交差点を安全かつ円滑に保つのが信号機の役割ということです。

 信号機は各都道府県の公安委員会によって設置され、管理は警察(交通規制課)が行います。つまり、信号が変わるタイミングを決めるのは各都道府県の警察ということになります。ただし、そのための技術の研究開発を行なっているのは公益法人「日本交通管理技術協会」(東京都新宿区)です。

●スムーズな交通の流れをつくる[サイクル][スプリット][オフセット]

 信号機の点灯では、タイミング設定がポイントになります。その表し方(現示)には[サイクル][スプリット][オフセット]の3種類があります。

・サイクル
 信号灯が青→黄→赤と一巡する時間を[サイクル(周期)]といい、”秒”で表します。サイクルが短すぎると通行できる量が少なく渋滞の原因になり、逆に長すぎるとムダな時間が増えます。

・スプリット
 1サイクルの時間のうち、各現示に割り当てられる時間配分を[スプリット]といい、1サイクルに対する”%”で表します。交通量の多い主道路とあまり多くない従道路で構成される交差点では、主道路側に60%、従道路側に40%というように割り振りがされます。

・オフセット
 幹線道路を入る車が信号のたびに停止することなく、各交差点をスムーズに通過できるよう、隣接する交差点の青信号開始時間にズレを持たせます。この時間のズレを[オフセット]といい、1サイクルの時間に対する”%”または”秒”で表します。

 [サイクル][スプリット][オフセット]は交通整理の三種の神器と呼ばれる大切なものですが、交差点を通過するのは車だけではありません。「歩行者横断時間」も信号機の重要な要素です。

 歩行者が横断に必要な時間は横断歩道の長さによって異なります。つまり、主道路を渡ろうとする従道路側の(あるいは逆の)動きであるため、車のスムーズな運行には逆らうわけです。一般的には歩行速度を秒速1メートルとして計算しますが、4〜10秒の「青点滅時間」をプラスすることで、安全に横断を完了し、あるいは元の地点に引き返す配慮がなされています。

●「点・線・面」で行われている交通整理

 信号機には交差点単独で一定のサイクルに基づき赤、黄、青が変わるものもあれば、複数の交差点と連携して変わっていくケースもあります。それらのひとつに、同じ路線で信号の表示サイクルを連携させる「系統制御」と呼ばれる信号制御方式があります。

 系統制御は、Aの交差点を通過した車が法定速度で走行すれば、その先のB、C、D交差点も青信号で通過できるようにするもの。これにより「早く行こうとスピードを上げる」行為を防ぐことが目的です。

 「ここの信号は、オールグリーンで気持ちがいい」「いつ通っても赤に引っかかる」と感じるのは、この方式が関係していることが多いようです。

 そもそも日本に信号機が導入された初期の頃、その制御は各交差点ごとに行われていました。これを「点の交通整理」と呼びますが、設置される信号機の数が増えるにしたがい、となりあう信号機の動きに関連を持たせる必要が生じてきます(「線の交通整理」)。

 さらに道路が網の目のように張り巡らされた都市部では、点や線だけの交通整理では追いつかないため、「面の交通整理」として時々刻々の交通状況が車両感知器を通してコンピュータ制御されています。

 各警察では、「赤信号で止められることが多い」「歩行者用信号が渡りきれないうちに赤になる」など、交通信号機に関する意見・要望を「信号機BOX」という窓口で募集しています。毎度毎度イライラがつのる信号については、報告するのが将来的な交通管理への近道。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・公益財団法人 日本交通管理技術協会
https://www.tmt.or.jp/research/img/signal/s-01.html