交通違反の中で特によく耳にするのが「スピード違反」ではないでしょうか。令和4年(2022年)のデータによるとスピード違反(最高速度違反)の取り締まり件数は、年間93万件あまりとなっています。この年の道路交通法違反全体の取り締まり件数はおよそ505万件でした。つまり、スピード違反は全体の18%を占めていることになります。これは「一時停止違反」に次いで2番目に多いものとなっています。ではスピード違反とはどういったものなのでしょうか。またスピード違反で免許停止や免許取消になることはあるのでしょうか。少し詳しく見てみましょう。

●法定速度を越えたスピードで走れば「最高速度違反」

 現在のところ一般道の最高速度は60km/h(原付は30km/h)、高速道路では100km/h(トレーラーなどの大型車は80km/h)となっています。ただし高速道路の一部では最高速度が110km/hとなっている区間もあります。また一般道では道路標識によって制限速度が決まっている道路もあります。この制限速度をどれくらい超過したら違反なのかということについては、道路交通法第二十二条に次の記載があります。

 「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。」

 つまり、原則的に「1km/hでも超過していれば違反」となります。ただし車のメーターには誤差もあり、ほんの少しオーバーしていたからといってすぐに違反切符が切られるというわけではなさそうです。また、実際に違反とされた場合は、超過した速度によって違反点数が変わります。このとき、超過速度が一定の基準を超えた場合は、その違反だけで免許停止になることもあります。さらに反則金を納めて刑罰が免除される「行政処分」にとどまらず、前科となる「刑事処分」となることもあります。このあたり、次で詳しく見てみましょう。

●超過速度別の反則金

 以下、一般道路と高速道路に分けて、実際の違反点数や反則金などについて細かく見てみましょう。左から超過速度(単位km/h)、違反点数、行政処分の場合の反則金または刑事処分の場合の処分内容です。

【一般道路の場合】
1〜14 1点 9,000円
15〜19 1点 12,000円
20〜24 2点 15,000円
25〜29 3点 18,000円
(ここまでが「行政処分(青切符)」、ここ以降「刑事処分(赤切符)」となります)
30〜49 6点 6ヶ月以下の懲役、又は10万円以下の罰金
50以上 12点 6ヶ月以下の懲役、又は10万円以下の罰金

【高速道路の場合(29km/hの超過までは一般道路と同様)】
30〜34 3点 25,000円
35〜39 3点 35,000円
(ここまでが「行政処分(青切符)」、ここ以降「刑事処分(赤切符)」となります)
40〜49 6点 6ヶ月以下の懲役、又は10万円以下の罰金
50以上 12点 6ヶ月以下の懲役、又は10万円以下の罰金

 一般道路の場合、29km/h以下の速度超過までがいわゆる青切符(交通反則告知書)での対応となり、反則金を一定期間内に納めることで刑事責任は追及されません。高速道路であれば39km/hまでが同様の対応となります。これ以上の超過の場合、つまり一般道で30km/h以上、高速道路で40km/h以上の超過だった場合は、刑事責任(いわゆる赤切符)を免れることはできません。この場合、罰則は罰金として最大10万円を支払うといったより重いものになり、刑事罰なので前科がつくことになります。

●一般道路30Km/h以上、高速道路40km/h以上で免停となる

 また免許停止になる点数に関しては、過去3年以内に免許停止処分や免許取り消し処分がない人の場合では、次の通りです。

違反点数6〜8点 免許停止30日
違反点数9〜11点 免許停止60日
違反点数12〜14点 免許停止90日
違反点数15点以上 免許取消1年

 以降段階的に免許取消期間が長くなります。つまり、一般道路での30km/h以上の速度違反、高速道路で40km/h以上の速度違反を犯した場合(刑事処分となった場合)、一発で免許停止です。ただし一度の速度違反だけでは、免許取消までには至りません。ただし、過去に免許停止などの処分を受けていた場合(前歴がある場合)、処分回数に応じてもっと低い点数で免許取消となります。

●可動式オービスも増えている

 スピード違反は一般的に「定置式」「追尾式」「オービス」の3つの方法で確認されています。「定置式」とはいわゆる「ネズミ取り」と言われるものです。これには光電センサーと呼ばれるものが使われたり、レーダーが使われたりします。この方式での検挙が最も多いようです。「追尾式」とはパトカーが追尾しながら速度を確認する方法、「オービス」は機械が違反車両の写真を撮影するものです。最近では可搬式のオービスによる取り締まりも進んでいるようです。

 また、道路交通法第70条には「道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」という記載があります。特に見通しの悪い場所や住宅街などでは、法定速度内であっても危険と判断される状況があった場合「安全運転義務違反」となり反則点数2点、反則金9,000円となる可能性もあります。こういった場所では、安全を最優先することを心がけましょう。

<参考>
令和5年交通安全白書(全文)|内閣府
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r05kou_haku/zenbun/genkyo/h1/h1b1s2_5.html
交通違反の点数一覧表|警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/tensu.html
行政処分基準点数|警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/gyosei20.html
スピード違反(速度違反) の罰金と点数は?|チューリッヒ
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-speeding/