今月17日未明、中国の月探査機「嫦娥5号」が内モンゴル自治区の着陸予定エリアに着陸した。中国としては初めて月の試料を持ち帰ったプロジェクトで、引き続いて試料の分析や研究が行われることになる。

中国国営局・中央電視台(CCTV)の報道によると、着陸は深夜にも関わらず、習近平中国国家主席は祝電を寄せ、月探査プロジェクトおよび嫦娥5号の任務に関わった全員に向けて祝意を述べるとともに「嫦娥5号が月の土を地球に持ち帰った意義は大きい。中国の月探査プロジェクトにとってのマイルストーンであり、人類が44年ぶりに成し遂げた象徴的な節目である」と延べた。

月探査に再びスポット

嫦娥5号が今回、月の試料を月に持ち帰ったのは、ソ連のルナ24以来44年ぶりのことだ。そして多くの国が申し合わせたかのように、2025年までの有人月面着陸を目標に掲げている。以下に、月探査プロジェクトに力を入れる6カ国を紹介する。

1)米国:「アルテミス計画」

かつて382キロの岩石標本を地球に持ち帰った宇宙大国ーー米国はこの数年、月探査プロジェクト「アルテミス計画」を大々的に掲げている。

米航空宇宙局(NASA)は昨年5月、次の有人月面上陸プロジェクトにギリシャ神話の月の女神の名から「アルテミス」と名付けた。今年10月には正式な計画書を発表している。

科学・テクノロジー関連のニュースアグリゲーター「Phys.org」によると、NASAによるアルテミス計画の最新版は、2024年の有人月面着陸をゴールとした三段階に分かれている。全ミッションに割かれる資金は280億ドル(約2兆9000億円)で、うち160億ドル(約1兆6000億円)は、着陸機の開発に用いられる。

プロジェクトの第一段階「アルテミスⅠ」は2021年11月にスタートし、現在試験段階にある新しい大型ロケットSpace Launch System(SLS)と宇宙船オリオンによる無人飛行が行われる。第二段階の「アルテミスⅡ」は2023年に有人で月を周回する。最終段階の「アルテミスⅢ」は2024年に有人月面着陸を目指す。月面への滞在時間は1週間を予定し、2〜5回の船外活動が行われる。

しかし、NASAのジム・ブライデンスタイン長官は記者発表会の席上で「政治的リスクがNASAの探査計画にとって最大の脅威だ」とし、オバマ前大統領時代に火星探査プロジェクトが中止となったことを例に挙げている。

2)ロシア:2025年までに「月へ還る」

旧ソ連時代の1976年にルナ24プロジェクトを成功させて以来、月面着陸機を打ち上げていないロシアだが、依然として月探査事業を継続する方針だ。米天文ニュースサイトspace.comの5月の報道では、2025年までに3回にわたり、探査機を月へ送り込む計画だという。

ロシアの国営宇宙公社ロスコスモス傘下の宇宙開発企業「S.A.ラヴォーチキン科学製造合同」のジェネラルディレクターVladimir Kolmykov氏は、新たな月探査機をルナ25、ルナ26、ルナ27と命名したと明かした。同氏はプーチン大統領にも「ルナ25は現在組み立ておよび初期試験の段階にあり、2021年に打ち上げを成功させたい」と報告している。

3)UAE:2024年に初の月面着陸を計画

UAE(アラブ首長国連邦)は今年7月、火星探査機HOPEの打ち上げに成功し、次に月探査へ照準を合わせている。

英学術誌ネイチャーの11月の報道では、UAEはラシードと名付けた小型の月面探査車を打ち上げる計画で、その重量は嫦娥4号の10分の1だという。ドバイのムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)も、同センターで開発・製造・運行を行う月面探査車が重さ10キロのラシードであると発表している。

ラシードは2024年に月面着陸を目指しており、実現すれば民間発の月面探査車の成功例の一つとなる。

4)インド:「4カ月後に月へ」

インド現地メディアの報道では、嫦娥5号打ち上げから4日目にインドは突如、重要な計画を発表した。わずか4カ月後の来年3月に月探査機チャンドラヤーン3号を打ち上げ、月面へ着陸させるという。

今年7月にチャンドラヤーン2号を打ち上げたインドだが、月面着陸には失敗している。

5)日本:米アルテミス計画に合流

共同通信の報道では、内閣府宇宙政策委員会は2019年10月、米国のアルテミス計画に参加し、2024年までに宇宙飛行士を月へ送り込むと決定した。宇宙飛行士の拠点施設の建設でも技術提供を行う方針だという。

6)ドイツ、イスラエル:月への商用輸送サービス事業を立ち上げ

米天文ニュースサイトspace.comの今年5月の報道によると、ドイツの宇宙開発企業「OHB(オーハーベー)」とイスラエルの航空機製造大手「イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)」が提携し、2022年末に月面着陸プロジェクトを始動させる計画だという。両社は2019年1月に有償貨物を月面へ運送する事業で提携を結んでいる。主にOHBが荷受け元となり、IAIはイスラエルの月探査機べレシートをベースとした着陸機を提供する。

作者:智東西(WeChat ID:zhidxcom)

(翻訳・愛玉)