LiDAR技術を開発する「歓創科技(Camsense)」がシリーズBで8000万元(約13億円)を調達したことがわかった。調達した資金はLiDAR技術の向上や、VR/AR、医療分野での実用化に向けた研究に充てられる。

歓創科技は2014年創業で、単眼カメラによる測位技術を得意とする。同社は独自のセンサー、アルゴリズム、チップなど高精度な測位製品群を持ち、コンシューマー級ロボットに広く使われるようになった。これらの技術をベースに、今後医療、工業生産、VR/ARなどエンタープライズ級での実用化を目指す。

歓創科技の最も成功した製品はレーザー誘導装置の「Camsense X1」である。この製品の特徴はレーザー誘導装置モジュールにチップとセンサーをまとめたことであり、大幅なコストダウンと製品の安定性の向上を実現した。2020年には次世代の「Camsense X2」が発表され、より小型化された上に、防塵機能が改善された。

この製品は主に家庭用の掃除ロボットに搭載されている。2019年全世界での掃除ロボットの売上高は20億ドル(約2100億円)で、うち半分以上がレーザー誘導方式を採用している。方正証券(Founder Securities)の予測によると、2021年の世界主要国の掃除ロボット保有台数は1億台になり、中国の掃除ロボット市場は2024年に231.4億元(約3700億円)に達するという。

掃除ロボットの稼働環境は衝突、転落のリスクが高いため、精度の高いレーザー誘導装置が求められるが、従来のソリューションではエンタープライズ級のセンサーを採用するなどしたため、コストの高さがネックとなっていた。しかし、歓創科技はコンシューマー級でありながら、高い精度を実現し、コストを約半分に抑えることに成功した。さらに、独自のアルゴリズムによって、スマホ、PC向けに広く流通しているチップを掃除ロボットでも使えるようにし、チップのコスト抑制も実現した。その上、より汎用性の高い部品を採用したため、製造過程も簡素化され、生産キャパシティが大きく向上した。

2020年の同社の単眼カメラ式レーザー誘導装置の出荷台数は50万台超で、年平均成長率は300%に達した。2021年には100万台以上を出荷できる見込みだ。

エンタープライズ級の開発において、同社の製品は誤差0.2mmの精度を誇る。中国の民間飛行機製造会社「中国商用飛機(Comac)」、検査認証会社の「華測検測(Centre Testing Intl)」、大手家電メーカー「美的(Midea)」のロボット研究室などが同社の技術を導入している。

歓創科技創業者でCEOの周琨氏によると、中短期ではレーザー誘導装置の売上高の伸びが著しく、主な収益源となっている。長期的にはエンタープライズ級のほうがより大きな市場を見込めるため、今後の見通しは明るいという。

(翻訳・小六)