3Dプリンター技術による金型製作を手掛ける「鐳鏌科技(LAMO Technology)、以下LAMO」がシリーズAで約1000万元(約1億6000万円)を調達した。リード・インベスターは「藍馳創投(BlueRun Ventures)」。調達した資金は3Dプリンターのコア部品および材料の研究開発、プリントサービスセンターの生産能力拡大に充てられる。

LAMOは2019年に設立され、金型業界における3Dプリンター技術の応用に注力している。同社は金属材料と技術の研究開発チームを設立し、金相(金属組織)解析、成分分析、機械的性質の分析などの専門ラボを立ち上げ、さまざまな3Dプリンター技術と材料の研究を行っている。

内部に冷却水管を自在に配置できる金型モデル 画像提供:鐳鏌科技

金型産業は現代の製造業にとって欠かせない存在で、「工業のマザーツール」とも呼ばれる。全世界の約80%の部品や製品は金型を使って量産されている。「中国金型工業協会(China Die & Mould Industry Association)」の統計によると、2019年の中国金型産業の総生産高は2700億元(約4兆4000億円)を超え、金型製造企業は約3万社、従業員は100万人を超えており、これらの金型から生産された部品や製品の総生産高は3兆元(約50兆円)を超えた。中国の金型産業全体は巨大だが、個々の企業の製造レベルは高くなく、規模が小さく分散している。金型から製品までの産業チェーンが完成されておらず、これが工業生産の効率化の妨げとなっている。

このような現状を踏まえてLAMOは、3Dプリンター技術が金型産業に品質と効率の向上をもたらし、金型産業全体のデジタル化改革を推進できると考えている。

従来からの切削加工や鍛造・鋳造加工などの技術と比べ、3Dプリンターはより先進的な製造技術であり、複雑な内部構造と外観デザインを共に可能する点に優位性がある。構造や数量が異なる製品でも、設計から製造までの時間を短縮し、オーダーメイドによる量産が可能となる。世界的に有名な某化粧品メーカーが新製品のボトルを製造する際、従来の金型からLAMOの3Dプリンターによる金型に変更したところ、射出成形の生産効率は約42%向上し、良品率は約11%向上した。

創業者の張国良CEOによると、LAMOは金型市場の45%を占める射出成形金型に重点を置いており、今後はダイカスト金型分野へも事業展開していくとのこと。顧客企業としては、自動車部品、3C製品(コンピュータ、通信機器、家電)、医療消耗品、日用品および化粧品の外装パッケージなどの分野に注目している。

同社は技術と材料の革新を通じて、3Dプリンターによる金型の使用コストを3年前の業界平均の50%にまで削減した。今後数年間はさらに毎年10%〜20%削減する計画だ。張CEOによると、顧客が金型の使用コストを削減できたのは、鐳鏌科技が3Dプリンター材料の自主開発、国産化を実現し、プリント技術の効率を向上させ、金型製作コストを削減したことによると説明した。将来的には引き続き金型製作コストを下げることで、顧客の使用コストを削減し、全体の粗利率を維持しながら、顧客の使用量を高めていくことを目指す。

金型の性能とコストパフォーマンスの高さから、LAMOの3Dプリンター技術による金型はさまざまな業界の大手企業で広く使われている。3C業界ではアップル、ファーウェイ(華為)、シャオミ(小米)などの製品、化粧品業界ではロレアル、ランコム、エスティローダー、P&Gなどの製品の外装パッケージ、医療業界ではフィリップス、「マインドレイ・メディカル・(邁瑞医療)」の医療消耗品の金型として使用されている。自動車業界ではBMW、家電業界ではAUXなどの一部製品にも3Dプリンターによる金型を提供している。

2020年の同社の売上高は前年の約10倍に達したとのこと。現在、50社あまりの顧客企業を抱え、そのうち15社は各分野のトップ企業となっている。
(翻訳・普洱)