中国のビジネスメディア「晚点(LatePost)」が、インドネシアの宅配大手で中国にも進出している「J&T Express(極兎速逓)」(以下「J&T」)が、18億ドル(約1970億円)を調達したと報じた。リード・インベスターは5億8000万ドル(約636億円)を出資した「博裕資本(Boyu Capital)」で、コ・インベスターは「セコイア・キャピタル(紅杉資本)」と「高瓴資本(Hillhouse Capital)」。今回の資金調達後、J&Tの評価額は78億ドル(約8550億円)になった。

これに先立つ4月1日、J&Tは米国でIPO(新規株式公開)を実施し、10億ドル(約1090億円)超を調達する計画と報じられたが、同社はこれに対して「コメントは控える」としていた。

現在、中国宅配市場におけるJ&Tの評価額は、中国最大の民間物流業者である「SFエクスプレス(順豊速運)」の約576億ドル(約6兆3100億円)や「京東物流(JD Logistics)」の約400億ドル(約4兆3800億円)に次ぐ規模である。

J&Tは、スマートフォン大手OPPOのインドネシア部門を創設した李傑(Jet Lee)氏が2015年に東南アジアで設立した。初期における資金やネットワーク(人脈)などのほとんどをOPPOに由来している。2019年には東南アジア第2の宅配企業に成長。2020年3月に中国市場へ進出し、同年9月には配送ネットワークを中国全省・全市に拡大した。J&Tは中国に進出して以来、低価格戦略により取扱個数を急速に伸ばし、同業他社との激しい競争を繰り広げている。進出から1年で、中国における従業員数は配送員を含め15万人まで増加した。

J&Tは中国やインドネシアのほか、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン、カンボジア、シンガポールの計8カ国でサービスを展開している。2021年1月時点において、同社は1日あたり平均2000万個の荷物を取り扱い、全世界合計で240カ所以上に大型のロジスティクスセンターを設置。スマート仕分け設備を600組、自社車両を8000台それぞれ保有し、2万3000ヵ所を超える取扱店舗を含めた総従業員数は35万人近くになる。