中国のディスカウントスーパー「小象生活(Xiaoxiang Shenghuo)」がエンジェルラウンドで数千万元(数億円)を調達したことが分かった。出資を主導した「愉悦資本(Joy Capital)」のほか「天使湾創投(Tisiwi Venture Capital)」も出資に加わった。同社CEOの海輝氏によれば、調達した資金は主にチーム拡充やレコメンドアルゴリズムの研究、サプライチェーン構築に充てるという。

2020年10月に設立された小象生活は食料品や飲料品、日用雑貨、調味料などを扱うディスカウントスーパーチェーンで、現在は住宅地付近の商店街などを中心に加盟店を含め10店舗余りを展開している。江蘇省南京市を起点として周囲の都市に広げていく計画だ。また法人向け事業として、日用消費財のディスカウント商品のサプライチェーンサービスも提供する。

小象生活の店舗 (画像は取材対応者提供)

商品需給のミスマッチにより賞味期限間近の商品が絶えず生まれている。爆発的な成長を遂げている中国の消費市場では、流行や消費者ニーズがめまぐるしく変化するのに伴い日用消費財の流行周期も短くなっており、メーカーやブランドでは在庫過多のリスクが増大している。

小象生活はここにフォーカスし、メーカーや販売業者、スーパー、コンビニ、EC業者の自社倉庫、輸入業者などから商品を仕入れ、販売を行っている。大ヒット商品をディスカウント価格で提供すれば売れ行きは申し分ないが、商品の仕入れは安定しない。販売プラットフォームにとって重要なのは、情報感度と商品の仕入れ能力であり、日用消費財であれば商品セレクトのセンスも必要になる。小象生活は基本的に独自で仕入れを行っているが、仕入れ価格を安く抑えるため、一部の商品では共同仕入れを採用している。

小象生活ではデジタル・ミドルプラットフォームを構築し、この特殊なサプライチェーンに対応している。商品選定に関しては、各ブランドをSランク、Aランク、Bランクに分類してブランドごとに粗利の管理を行っているほか、商品カテゴリの状況を見ながらSKU比率を調整し、全体で1000SKUほどにコントロールしている。また商品ごとに過去のプロモーション成果や関連データ、ECサイトにおける売れ行きを参考にして、仕入れモデルを絶えず最適化している。一般的なコンビニなどでは店長が商品の発注を行うのに対し、小象生活ではデジタル・ミドルプラットフォームがデータモデルに基づき商品リストを自動で生成するため、店舗側で発注する必要がない。

賞味期限間近の商品の価格設定はいくらか特殊で、市場の状況を見ながら決定する必要がある。海CEOの語ったところでは、フードデリバリーの「餓了麽(Ele.me)」「美団(Meituan)」やECプラットフォーム「タオバオ(淘宝)」「拼多多(Pinduoduo)」などの商品価格を参考にしながら基本となるプライシングシステムを確立したという。このシステムを基盤として、ブランドのランクや販売可能期間の長さなど具体的な要素を加味して価格の微調整を行う。これにより小象生活では一般的な市場価格の5〜7割引で商品を販売することができている。また粗利管理により粗利率は35〜40%を維持している。

小象生活は住宅地に隣接した「日常生活に必要な商品を扱うディスカウントスーパー」を目指し、80〜100平方メートルの店内に日用消費財のほかベーカリー商品や日配品、冷凍食品などを取りそろえている。また格安商品以外にも輸入食品やネットで話題の商品などを並べ、消費者により多くの選択肢を提供している。

今後は南京市から周辺エリアへの進出を計画している。今回、資金調達に成功したことに伴い、今年は出店ペースを上げて、100店舗を目指すとしている。
(翻訳・畠中裕子)