自動運転技術を生かした無人清掃車のソリューションを手掛ける「仙途智能科技(Autowise.ai)」がシリーズB1で1億2000万元(約20億円)を調達した。「天奇創投(SkyChee Ventures)」がリードインベスターを務め、アドバイザーは「穆棉資本(MM Capital)」が務めた。調達した資金は研究開発と市場規模の拡大に投じる。

Autowise.aiは2017年に設立。同社の黄超CEOは中国配車サービス最大手「滴滴出行(DiDi Chuxing)」で無人運転プロジェクトのマネージャーを務め、IT大手バイドゥ(百度)の「百度研究院(Baidu Research)」でも深層学習のアルゴリズムの研究開発に従事した経歴を持つ。現在、Autowise.aiは世界各地で100人を超える従業員を抱え、自動運転、AI、ビッグデータ関連の事業で実績を上げている。

黄CEOは清掃車に目をつけた理由について以下のように答えている。

「まず、技術的な面だ。道路清掃業務のニーズは高いが技術的に難しくはない。AI、自動運転技術で代替するのにふさわしいと感じた。次に市場規模だ。中国全国で毎年道路清掃に投入される金額は2000億元(約3兆4000億円)程度。一級都市の道路清掃費の相場は1キロメートル当たり40元(約680円)近くだ。先進国では、清掃作業員や車両運転手の人件費は1人あたり年間3万ユーロ(約400万円)近くかかる。非常に大きな市場だと感じた」

「そして社会的リスクの面だ。清掃作業員は中国国内に数百万人いるが、そのほとんどが55歳以上で、近い将来深刻な人手不足に陥るだろう。また、作業員は業務中に交通事故に遭うリスクも高い。こういった問題は自動運転なら解決できると考えた」

Autowise.aiは現在、中国国内では北京、上海、蘇州といった大都市、海外では米国、スイス、ドイツなどの先進国に無人清掃車100台近くを納品している。高速道路、都市部の道路、工業団地などの閉鎖された敷地という3種類の清掃シーンに分けた技術開発を行い、1トン〜18トンのさまざまなタイプの清掃車に搭載が可能。毎年の事業収入は数千万元(数億円)に達し、現在も事業規模を拡大中だ。

同社製の自動運転技術を搭載した清掃車が初めて発表されたのは2018年。2019年には上海市初となる無人清掃車の試験運転許可証を交付された。同社は同許可証取得のために幅約6メートル、重量約5トンの清掃車両を使用して上海市内にある自動運転車試験エリア内で11項目、41パターンの事例を含む1230回のテストを行った。

Autowise.aiは2020年6月、スイスの清掃車メーカー「Boschung」と合弁会社「WIBOT」を設立し、欧米市場にマッチした無人清掃車の供給を開始。両社が開発した車両「Urban-Sweeper S2.0」はすでに多くの注文を受けているという。WIBOTのビジネスモデルは特許(専利)、販売、清掃サービスなど幅広く展開できる可能性を持つ。

また、独リサイクル大手「ALBA」グループとも提携して独ヴィルヘルムスハーフェ港で無人清掃車による清掃業務を展開中だ。欧米の人手不足は中国より深刻で、無人清掃車の販売価格は中国の数倍にもなる。現在、Autowise.aiの海外事業からの収入は全体の10%程度だが、将来は40%以上に達すると見込んでいる。

無人清掃の分野に挑戦するスタートアップ企業は他にも多数ある。室内向けや小型製品に注力するのは「高仙機器人(GAUSSIAN ROBOTICS)」、清掃・物流などの方面で自動運転関連のソリューションを提供する「智行者科技(Idriverplus Technology )」、また、AI技術開発の「深蘭科技(DeepBlue Technology)」は水素エネルギーで自動運転分野に切り込む。黄CEOは「この市場は初期の成長段階にあり余白が大きい。多くの企業と切磋琢磨できることを望む」と語る。

(翻訳:Qiunai)