腫瘍治療技術を開発する「海莱新創(Brain health)」がシリーズCで5億元(約85億円)を調達したことがわかった。この資金調達により、直近1年半の調達額は8億元(約140億円)となった。

リード・インベスターはジャック・マー氏が創設した「雲鋒基金(YF Capital)」で、コ・インベスターはテマセク・ホールディングス、「礼来亜洲基金(Lilly Asia Ventures)」、「三正健康投資(3H Health Investment)」、「CPE源峰」、「啓明創投(Qiming Venture)」だ。既存株主の「君聯資本(Legend Capital)」、「泰福資本(TF CAPITAL)」、「高瓴創投(GLVentures)」が追加出資した。

調達した資金は新たな適応症のための開発パイプラインの確立、臨床試験の迅速化、人材募集に充てられる予定だ。

2016年に創業した海莱新創は、腫瘍治療電場(Tumor Treating Fields、以下「TTF」と略称)技術開発を専門とする。中国での腫瘍治療は手術、放射線治療、化学治療が一般的で、これらの手法の技術革新も目覚ましいが、患者の生存率やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の改善において十分な効果を挙げているとは言い難い。そこで、新たに登場したTTFが期待されている。TTFは中間波長の電場でがん細胞の増殖を抑える技術で、複数の固形がんに効果があり、患者の生存率を高めることが可能だ。当該技術の臨床試験は米国、中国、欧州、日本で始められている。製品化に成功し、且つ多施設共同研究試験を展開するのは世界で2社しかなく、1社目が米「NovoCure」、2社目が海莱新創である。

海莱新創は2019年から中国の7つの有名医療機関で脳腫瘍の一種である膠芽腫の多施設共同研究試験を開始し、現在9機関に拡大して研究を続けている。これまでの臨床試験の結果は良好であり、2022年に中間解析を行う予定だ。非小細胞肺がんのTTF治療に関する基礎研究では、細胞株やマウスのがん細胞の増殖を抑制する効果が確認された。非小細胞肺がんのTTF治療に関する多施設共同研究試験は現在申請中で、2021年末から開始される見込みだ。

また、膵臓がん、卵巣がんに対するTTF医療機器検査報告も審査済みで、2021年末から順次、多施設共同研究試験を開始する予定だ。ほかにも肝臓がん、胃がん治療の研究を行っている。

膠芽腫、非小細胞肺がん、膵臓がん、卵巣がんのTTF医療機器について、海莱新創の創業者黄勇氏は2023年〜2025年の間に承認される見通しを示している。最も早いのは膠芽腫の医療機器となる。また、3年以内にIPOを行う構想もあるという。

(翻訳・小六)