中国IT大手アリババグループが3日、2022年第1四半期(2021年4〜6月期)の決算を発表した。

売上高は2057億4000万元(約3兆4700億円)で、市場予想の2093億8000万元(約3兆5300億円)をやや下回った。前年同期の売上高は1537億5100万元(約2兆5900億円)。純利益は434億4000万元(約7300億円)で、市場で予想されたGAAPベースの310億2400万元(約5200億円)を大きく上回った。前年同期の純利益は475億9100万元(約8000億円)だった。

決算発表後、アリババの株価は前日終値より1.88%高くつけて取引を開始し、一時2.5%高くつけた。

今年上半期、中国のオンライン小売市場全体の売上高は前年同期比18.7%増の5兆300億元(約84兆7800億円)だった。Eコマース市場の成長ペースは過去2年で減速傾向だ。アリババはEコマースプラットフォームとして業界最大手だが、ユーザー規模でも1ユーザーあたりのGMV(流通取引総額)でも業界全体の伸びを大きく上回ることはできなかった。売上高は前年同期比で33.8%増だったとはいえ市場予想を下回っており、40%増以上を維持していたこれまで(新型コロナの感染拡大期を除く)よりも成長ペースは落ち込んでいる。

GAAPベースの利益は反対に予想を上回っている。傘下の金融サービス企業アントグループ(螞蟻集団)の利益6億9600万ドル(約760億円)が大きく貢献したとみられる。一方、non-GAAPベースでのフリーキャッシュフローは206億8300万元(約3500億円)で、前年同期の365億7000万元(約6200億円)から目減りしている。主因は、独禁法違反で国家市場監督総局から課された91億1400万元(約1500億円)の課徴金を納めたことだ。

アリババエコシステム全体の年間アクティブコンシューマーは世界で11億8000万人に達し、前四半期から4500万人増加した。うち9億1200万人が中国市場のユーザーだ。格安ECプラットフォーム「淘特(淘宝特価版より改称)」は地方市場のユーザーに人気で、年間アクティブコンシューマーは1億9000万人を突破した。

事業別に詳細をみると、大型スーパーを運営する「高鑫零售(Sun Art Retail)」はオンライン受注件数が前年同期比で28%増加した。中国国内の29省、235都市で店舗を展開している。地域コミュニティ向け小売りプラットフォーム事業では、在庫型の地域物流センター(RDC)の建築面積が前四半期比で約260%増え、GMVは約200%増えている。

クラウド事業の売上高は160億5100万元(約2700億円)で、3四半期連続の黒字。調整後EBITAは3億4000万元(約57億円)にまで伸び、法人顧客の業種も多様化している。また、ビジネスコラボレーションツール「DingTalk(釘釘)」の業績が新規・その他の事業カテゴリからクラウド事業に編入された。DingTalkはまだ投資段階にあるため、今四半期はクラウド事業の利益を引き下げている。それでも3億4000万元のEBITAは過去最高だ。IT専門調査会社IDCが発表した今年第1四半期の中国パブリッククラウド市場に関するデータでは、Iaas(Infrastructure as a Service)およびPaas(Platform as a Service)を合わせた市場の規模は46億3200万ドル(約5100億円)で、最大手のアリババクラウドが40%のシェアを握っている。

傘下の物流企業「菜鳥網絡(Cainiao Network)」の売上高は50%増の安定した成長をみせた。コンシューマー向け集荷サービス「菜鳥裹裹(Cainiao Guoguo)」の受注件数は前年同期比63%増となっている。フードデリバリーサービス「餓了麼(Ele.me)」の受注件数も同50%増。 地域コミュニティ向け小売りプラットフォーム事業の商品取引額は前四半期比約200%増だった。

中国概念株(中国国内で主な収入を得ながら海外で上場する企業の株式)に対する関連当局からの圧力が続く中、金融サービス世界大手UBSは、インターネット業界に対する取り締まりも少なくとも今年末まで続くと予想しており、特に中国のインターネット企業全体の格付けを「売り」としている。

(翻訳・愛玉)