スマート物流ソリューションを提供する「広州藍海機器人系統(Blue Ocean Robot)」(以下、藍海機器人)がこのほど、シリーズAとシリーズA+で数千万元(数億〜十数億円)を調達した。高瓴創投(GL Ventures)が出資を主導した。

藍海機器人は2016年に設立され、AMR(自律走行搬送ロボット)、配置システム、立体倉庫、MES(製造実行システム)などの工場全体のスマート物流ソリューションを提供している。技術の自社開発にこだわり、太陽光発電やリチウム電池などの業種で活用分野を広げている。

当初、藍海機器人はハイエンド製造業スマート化の流れに着目して、早い段階からAMRの自社開発に取り組み、自動車分野での活用を進めていた。2017年からは太陽光発電の分野に事業を拡大し、業界の大手企業にサービスを提供しながらスマート物流ソリューションのさらなる普及に力を注いできた。

新戦略移動ロボット産業研究所の統計によると、2021年の中国の産業用搬送ロボット(AGV・AMR)は7万2000台で、市場売上高は前年比64%増の126億元(約2500億円)に達したという。この分野ではすでに複数の上場企業が誕生しているほか、藍海機器人のようなスタートアップも多い。

特に新エネルギー産業の工場では自動化が進んでおり、自動化設備やスマート物流システムの需要が大きい。藍海機器人のハードウエア製品は主要指標が業界トップレベルに達しており、多くの業界大手企業から高い評価を得ている。

生産現場ではロボットの効率的な配置が工場の生産能力に直結するため、システム全体のスマート化レベルが非常に重要となる。藍海機器人はロボットのナビゲーションアルゴリズムや制御システム、配置システム、MESを独自に開発してきた。配置システムは生産現場での作業やロボットの割り当て、生産設備の割り当てに使用される。MESは製造設備や物流設備など生産現場のあらゆるデータを連携させ、生産現場の管理に役立てる。

藍海機器人創業者の徐文斌CEOの説明によると、同社はナビゲーションアルゴリズムや配置アルゴリズム、産業管理の情報化、マシンビジョン、組み込み式制御技術、電気機械システム設計などスマート物流システムに必要な技術の開発にリソースを投入してきたといい、すべてはより高い性能や機能を求める顧客に対応するためなのだという。

この独自開発のスキルにより、製品の開発サイクルが短縮され、顧客の要望にもすぐさま対応できるようになった。また受注量増加によるスケールメリットと製品の最適化により、業界全体の価格水準の引き下げを促しているほか、ハイエンド製造業におけるスマート物流システムの早期普及を後押ししている。

徐CEOによると、昨年から同社の業績は爆発的に伸び始めたといい、2021年には数千万元(数億〜十数億円)の売上高を記録した。2022年はすでに受けた注文だけで1億元(約20億円)を超えている。顧客には太陽光発電のカナディアン・ソーラーや中来股份(JOLYWOOD)、隆基(LONGi)などが含まれる。現在、広州市に生産拠点と開発拠点、江蘇省常州市に生産拠点、長沙市にMESおよびビッグデータセンターを設置している。

今後の展開としては、リチウム電池産業での顧客開拓、半導体などほかのハイエンド製造業における物流ニーズの開拓、次世代3Dナビゲーションシステムや3Dビジョンガイド型ロボット開発への投資を重点分野として挙げている。

創業者の徐文斌CEOは華南理工大学で修士号を取得し、長年にわたって搬送ロボットや産業自動化に従事してきた。同社には現在、200人近くの職員が在籍しており、その半数近くを研究開発スタッフが占めているという。
(翻訳・畠中裕子)