次世代電池のひとつ全固体電池を開発する台湾の「輝能科技(プロロジウムテクノロジー;PLG)」が、「国新科創基金(China Reform Fund)」から数千万ドル(数十億円)を調達した。資金は固体リチウム電池の量産と中国での生産拡大計画に充てる。主な自動車メーカーからの駆動用バッテリー需要に応え、新エネルギー車の戦略的パートナーを対象に全固体電池ソリューションの提供を加速する。

出資した国新科創は、輝能科技の中国市場での事業を支援する、主要な戦略的パートナーだ。世界での生産拡大を急ぐ輝能科技は、今回の資金調達でアジア市場での事業拡大が可能になり、全固体電池の量産を加速する。

輝能科技は2006 年設立で、当初はコンシューマーエレクトロニクス向け電池の開発、生産、防爆対策などに注力していたため、安全性実現のための知識や技術を十分に蓄積している。2016年に正式に全固体電池の開発と生産に転向し、今では電気自動車(EV)、消費者向け、産業分野にわたる次世代電池実用化のソリューションを提供している。川上の材料からバッテリーのセルまで自社開発する世界でも数少ない企業だ。

酸化物系固体電解質の技術は安全でエネルギー密度が高く、生産規模を拡大しやすい特徴があるが、全固体電池でよく見られる導電率が低いという問題があった。輝能科技は、初回クーロン効率、イオン伝導率などに関する国際特許を500件以上(出願中を含む)保有している。

生産の実現可能性について輝能科技は、単層セルの良品率は99.9%で商業化の基準を超えていると説明する。昨年末時点で、自動化テスト生産ラインで生産した約8000個の全固体電池のサンプルを、テストとモジュール開発用として世界の自動車メーカーに提供している。技術は量産準備段階に達し、2022年末には年間生産量ギガワット時(GWh)レベルの生産ラインを完成させ、世界での生産能力の拡大を引き続き加速する。

今回輝能科技に出資した国新科創の欧文志CEOは「新エネルギーは国新科創が長きにわたり注力してきた分野で、新エネルギー産業チェーンの川上、川下の企業約30社に投資した。輝能科技は総合的、全面的な技術、性能、製品の指針を備え他社に先駆けた量産スケジュールを立てている。輝能科技と手を携えて新エネルギー分野を充実させ、特に全固体電池の生産に乗り出すことができうれしく思う」と話した。

輝能科技の創業者である楊思枏CEOは「全固体電池はリン酸鉄リチウムよりも安全性が高く、エネルギー密度は三元系電池より大きく、強みが明確だ。輝能科技は工場の準備を急ぎ進めており、2022年末に市場に投入する準備を整えている。国新科創の支援と高い評価に感謝している」と語った。

(翻訳・36Kr Japan編集部)