AIを活用した楽器練習ツールなどを手掛ける「小葉子音楽科技(The ONE Music Group)」が「真成投資(Zhencheng Capital)」が主導したシリーズC2で数千万元(数億円)を調達したと発表した。音楽関連の分野では現時点で今年最大規模の資金調達だ。同社は昨年11月にシリーズC+で2億元(約41億円)以上を調達しており、その後わずか7カ月で今回の資金調達となった。

小葉子音楽科技は2013年に設立。中国の著名ピアニスト、ラン・ラン氏が自らプロダクトに関わり出資もしている。設立以来9年、テクノロジーで音楽学習のハードルを下げることをモットーとし、ソフト・ハードウェアが一体となったAI音楽テクノロジーエコシステムを構築している。傘下にはAIを利用してピアノ練習をサポートするアプリ「小葉子智能陪練」、AIを利用した電子ピアノなどを手掛ける「The ONE智能鋼琴」、子供向けのピアノ教室「The ONE智能鋼琴教室」、教師がオンラインで練習をサポートする「小葉子陪練」という4大事業を展開し、あらゆる年齢層やレベルに対応するサービスを提供。オンライン・オフラインの学習者をカバーしており、各事業間の相乗効果も明らかだ。昨年10月から現在まで、同社は8カ月連続で黒字を実現している。

「小葉子智能陪練」はAIによるミリ秒レベルでの高精度のミス訂正を実現した。複雑な環境下でも高い精度で識別が可能で、高難度の楽譜でも正確に識別できる。その識別能力はイスラエルの楽器学習アプリ「JoyTunes」傘下の類似製品を超えるという。昨年、グーグルとクアルコムはJoyTunesに出資しており、同社の評価額は10億ドル(約1380億円)に達している。

「小葉子智能陪練」は現在131カ国で利用されており、中国科学院が発表したリポートによると、同サービスはAIを利用した音楽教育業界でランキング1位となっている。また「The ONE智能鋼琴」はアリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」の年間最大セールイベント「ダブルイレブン」で電子ピアノカテゴリにおいて8年連続首位を獲得しているほか、世界95カ国で販売されている。

デジタル経済は世界のトレンドだが、中国国内市場はすでに比較的成熟している。対して海外では新興国や先進国にもまだ業界的に大きなチャンスがあると見られる。

小葉子音楽科技は今年3月、スマート音楽学習プロダクトのグローバル展開を本格的に開始した。公式情報によると「小葉子智能陪練」と「小葉子陪練」の海外新規ユーザーは昨年から倍増。世界初となるスマートドラム学習アプリも174カ国で利用できるようになっており、多くの地域ではアップルのApp Storeトップページで何度も公式に推薦されている。

同社の創業者でもある葉濱CEOは「今回調達した資金は主に『グローバル化』と『スマート化』戦略の推進に充てる。AIをいち早く音楽分野に応用した経験から、さらに一歩進んで音声や動画の最先端技術をAI音楽学習シーンで利用し、ユーザー体験を向上させたい。また世界のユーザー向けに全年齢で利用可能なドラムとピアノのスマート学習アプリをリリースする」と話した。
(翻訳・山口幸子)