6月15日、自動車ニューリテールの「大搜車(souche.com)」が、「北京雲漾信息科技有限公司(Beijing Yunyang Information Technology)」を買収したことを発表した。

雲漾科技は2015年に設立。クラウドコンピューティング、ビッグデータ、モバイルインターネット技術を使い、自動車メーカーのマーケティングのデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するソリューションを手掛けている。これまで「上海汽車(SAIC Motor)」、広州汽車(Guangzhou Automobile)、「吉利(Geely Automobile)」、ボルボなどの自動車メーカーに、デジタルトランスフォーメーションに関するコンサルティングサービス、業務基盤プラットフォームの構築、カスタマージャーニー(顧客が購入に至るまでのプロセス)に関するサポートを提供してきた。2017年、同社は「北京汽車集団産業投資有限公司(BAIC Capital)」、「常州高新技術風険投資有限公司(Changzhou High-tech Venture Capital)」からの資金調達に成功している。

大搜車は中国の中古車市場で強い影響力を持っており、同社は国内60%以上の自動車販売店のデジタルトランスフォーメーションを行ったとしている。また、インフィニティ、ボルボ、吉利などのメーカー向けに新車や中古車販売に関する業務管理システムを提供している。同社はこれまでアリババ、アント・フィナンシャル、「晨興資本(Morningside Venture Capital)」、「華平投資(Warburg Pincus)」、「春華資本(Primavera Capital)」、「招商銀行国際金融有限公司(CMB International Capital)」などから計12億ドル(約1300億円)を調達している。

買収後、大搜車は雲漾科技の製品、業務、スキルを統合し、自動車の流通分野の全プロセスでデジタル化を促進していく。大搜車の創業者兼CEOの姚軍紅氏によると、新型コロナ禍で自動車メーカーのデジタル化が急速に進んでおり、販売方法やチャネルが、従来の製品中心から消費者中心、データ中心にシフトし始めている。そのため、大搜車は「自動車メーカーをシステム、運営、データ、金融など、さまざまな面で総合的にサポートできる当社の強みがより顕在化する」と見ている。

雲漾科技の創業者兼CEOの唐崇興氏は、「大搜車の一員になったことで、自動車メーカーのデジタル化をこれまで以上にサポートできるようになる。購入から下取りまですべてのシーンでデジタル化を実現させたい」と話した。

大搜車は近年、積極的に買収を行っている。2018年は自動車車両輸送プロバイダーの「運車管家」の全株式を取得、自動車販売のデジタル化を手掛ける「金蝶汽車網絡(Kingdee automobile)」に出資、中古車オークションプラットフォームの「車易拍(cheyipai)」を買収。2017年には、自動車ディーラー向けのERPシステムを手掛ける「布雷克索」と、新車の在庫情報や販売チャネルを提供するプラットフォーム「車行168」の全株式を取得、自動車ニューリテールやモビリティ事業を手掛ける「武漢太和巽捷数字商务有限公司(yichebang.net)」に出資している。

中国は11年連続で世界最大の自動車市場となっており、デジタルトランスフォーメーションのニーズも高い。「中国自動車デジタル化支援市場分析2019」によると、2030年には、自動車産業はデジタルトランスフォーメーションにより売上高が10%〜30%増え、金額にして1兆元(約15兆円)以上になるという。

2020年は新型コロナ禍の影響で、自動車産業は大きな試練に見舞われているが、デジタルトランスフォーメーションを進めることが、一つの突破口になるだろう。

(翻訳:小六)