8月19日、中国EC大手の京東(JD.com)傘下のヘルスケア企業「京東健康(JD Health)」がオンライン家庭医(ホームドクター)サービス「京東家医(JD Family Doctor)」をリリースした。

このサービスでは家族8人までの健康記録表が作成され、テキストやビデオ、電話などで24時間対応のオンライン医療相談を受けることができるほか、専門医チームによる48時間以内のオンライン診察や全国トップクラス病院の名医による診察などの医療サービスが受けられる。

これより前には、香港証券取引所に上場した中国のオンライン医療プラットフォーム「平安好医生(Ping An Good Doctor)」が2019年後半に家庭向けオンライン医療サービス「私人医生」の提供を開始しており、ヘルスケア管理、リアルタイム問診、名医によるセカンドオピニオン、医療機関での受診手配などを含む、ワンストップ型の医療サービスを提供している。

公式資料より

家庭向け医療サービスとして内容が豊富なのは早期にサービスを開始した平安好医生だが、京東家医はグループの強みである物流体系を生かして「受診+医薬品購入」の面でリードを握る。

平安好医生の財務報告によると、同社の有料医療サービス「就医360」と「私人医生」を含む会費収入は2019年12月31日時点で4億元(約61億円)に上るという。

現在のところ、京東家医の土台は京東のECプラットフォームのユーザーだ。京東健康の辛利軍CEOは、まずその4億人のアクティブユーザーに向けてサービスを提供することを明かし、全ての京東ユーザーの家庭に導入してもらいたいと意気込む。

京東健康には医薬品・ヘルスケアEC、オンライン診療、ヘルスケアサービス、スマートソリューションの四大事業がある。そのうちオンライン診療では患者のニーズに応じて、オンライン受診予約やオンライン問診などの医療サービスを提供しているほか、京東の医薬品サプライチェーンを活用して、受診から薬の受け取りまでオンラインで完結できるようにした。

ホームドクターの潜在的な市場規模は数千億元(数兆円)にも上ると見積もられている。京東が新サービスを打ち出したのも、新たな市場を開拓することに加えて、市場ニーズに合わせた動きだったと言える。

市場調査会社「iResearch」が発表した中国の医療・ヘルスケアサービス消費に関するリポートによれば、回答者の87%がオンライン問診や数値モニタリング、受診予約、フォローアップなどを含む家庭向けオンライン医療サービスを望んでいるとのこと。アフターコロナ時代を迎えて人々の健康意識が高まり、医療ヘルスケアの話題が注目を集めるこの時期なら、新たな医療サービスで市場に参入しても十分に受け入れられることだろう。

辛CEOは、今後5年間に5000万世帯の家庭に京東健康のサービスを提供し、家庭における健康管理の新時代を切り開きたいと述べている。
(翻訳・畠中裕子)