血液疾患を専門とする医療グループ「陸道培医療集団(Lu Daopei Medical)」が、シリーズB+で1億元(約15億円)あまりを調達した。今回は出資を主導した「約印医療基金(IN Capital)」のほか、「招商証券資本(China Merchants Securities)」「ソフトバンク・チャイナ・ベンチャーキャピタル」「衆合資本(Partner Capital)」および既存株主の「朴道医療(PagodaTree Partners)」などが出資に参加した。

陸道培医療集団は中国の血液疾患専門家で中国工程院の院士である陸道培氏が2001年に創設したもの。20年近くたった今では、河北陸道培血液病医院、北京陸道培医院、北京陸道培血液病医院、上海道培医院という血液疾患専門の営利病院を4つ経営している。グループ傘下の病院は総面積が合計10万平方メートル以上、ベッド数は1200床以上で、造血幹細胞移植用の無菌室は108カ所に上る。

陸道培氏

1964年に陸氏は世界で4例目、アジアでは初となる同系骨髄移植を成功させた。陸氏が同僚らと共に作り上げたHLA半合致移植の方法は一致移植に比肩する優れた成果を上げ、中国の造血幹細胞移植技術を国際レベルにまで引き上げる基礎を作った。

それから56年、陸道培医療集団はすでに世界で最も活躍目覚ましい造血幹細胞移植センターの一つとして知られている。2019年中、陸道培医院は1081件の造血幹細胞移植を行い、中国で最大の移植センターとなっている。移植全体の70%をHLA半合致移植が占めており、重篤な血液疾患患者の多くが移植を受けられるようになった。

2015年には免疫療法「CAR-T療法」による白血病治療の臨床試験に着手、当時はまだ手がつけられていなかったこの分野でいち早く研究を開始した中国最初の医療センターとなった。2020年6月末の時点で、陸道培医院では914例のCAR-T療法の臨床試験を行っている。

血液疾患では厳密な病型分類が極めて重要であり、臨床面で判断を下すうえで検査指標の重要性がますます高まっている。陸道培医院では多年にわたる研究の結果、MICM-PP総合診断体系を確立した。これは細胞形態学(M)、免疫学(I)、細胞遺伝学(C)、分析生物学(M)、病原微生物(P)、薬理学(P)の検査指標を組み合わせて患者の状況を判断するもので、これを元に精密な治療方針や投薬プランを決定することができる。

陸道培医院は前述の検査体系を含む9つの研究室をベースとして、グループ病院の患者だけでなく、全国100カ所余りの病院からサンプル検査を受け付けており、正確かつリアルタイムに診断結果を報告している。

リード・インベスターである約印医療基金のマネージングディレクター熊水柔氏は次のように語っている。「陸道培医院は中国の医療分野においてまれに見る企業だ。専門分野で世界レベルの技術を持つ数少ない民間医療グループであり、血液疾患の移植やCAR-T療法の臨床試験は世界トップクラスの件数を誇る。血液疾患の分野は常に需要があるものの、その需要が満たされているとはとても言いがたい。中国の十大悪性腫瘍に含まれている白血病とリンパ腫は、移植を必要とする患者が年間23万人いるのに対し、実際に移植を行えたのはわずか1万人にとどまるということだ」(翻訳・畠中裕子)

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