米シリコンバレー発、自動運転技術に特化した中国スタートアップ「智加科技(Plus.ai)」が、トラック配車アプリ最大手「満幇集団(フル・トラック・アライアンス・グループ)」と商業運転、車両販売、L4(レベル4:高度運転自動化)無人運転技術研究の3分野における戦略的パートナーシップの締結を発表した。

満幇集団は2016年のシリーズA、2018年11月のシリーズA+でPlus.aiに出資、2018年11月からは独占的戦略的パートナーシップも結んでいる。

満幇集団によると、同社アプリには認定ドライバーが900万人、認定荷主が400万社登録しており、中国339都市を結ぶ11万路線をカバー、同アプリが仲介した取引総額は8000億元(約12兆円)に上る。今回の提携後、Plus.aiのL3(レベル3:条件付運転自動化)自動運転大型トラックは満幇のプラットフォームに接続して輸送業務を行うようになるため、毎年数十億キロの走行データを取得でき、さらにOTAによるアップデートシステムを通じて車両性能を向上させることができる。これらのデータはL4自動運転アルゴリズムにフィードバックされ、最終的に高速道路でのL4無人大型トラックの実用化へとつなげられる。

同社のL3自動運転大型トラックは、一汽解放汽車(FAW Jiefang Automotive)と共同開発し、自動運転システムをプリインストールした量産モデルである。Plus.aiによれば、この大型トラックは高速道路走行中、ドライバーの手足を運転への集中から解放し、長距離の運転疲労の軽減、事故率の低減、出勤率の向上が実現できるという。さらに、FEM(有限要素法)を使った燃料節約アルゴリズムにより、燃料消費を10〜20%削減できる。

満幇集団高級副総裁の苗天冶氏は、Plus.aiへの投資は2023年の無人運転実用化に備えるための長期的な戦略的決定であると語った。トラックの耐用年数を5年とすると、車の購入コストが占めるのは26%に過ぎず、燃料費、通行料、整備、タイヤ、保険、修理などのコストが74%を占めることになる。量産スマート大型トラックを導入すると、トータルで見れば運用コストを効果的に節約でき、ドライバーや車の喫緊の課題をも解決できる。

満幇集団とPlus.aiに出資するセコイア・キャピタル・チャイナのパートナーである郭山汕氏は「Plus.aiは満幇集団との提携を強化することにより、多くの長距離大型トラック自動運転企業の中で商業化の先陣を切った。トラックメーカーとの共同開発で量産化に成功したL3自動運転大型トラックは、満幇集団アプリ上の何百万ものユーザーに提供される。Plus.aiは大量のデータを取得でき、そのことにより開発を加速できるため、2023年までに迅速にL4自動運転技術を確立できる」と語る。

2016年にPlus.aiのシードラウンドを主導した「金沙江創投(GSR Ventures)」は、同社の取締役会メンバーでもある。金沙江創投マネージングパートナーの朱嘯虎氏も「高速幹線物流は自動運転分野で最も早く実現するシーンの一つだ。また、Plus.aiはL4自動運転車の量産化に最も早く成功した企業である。当社は満幇集団へも出資しており、テクノロジー企業とプラットフォーム型企業の戦略的提携を好感している。両社の技術的強みと量的強みが相互補完し、大量の走行データが自動運転アルゴリズムの開発を加速、強化していく」とコメントしている。(翻訳・永野倫子)

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