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先月のシリーズBで1億7800万元(約28億円)を調達したワンストップ型ビデオソリューションを提供する「百家雲(Baijiayun)」は、シリーズB+で新たに9300万元(約15億円)の出資を受けた。今回のリード・インベスターは達晨財智(Fortune Capital)で、既存投資家の「金浦投資(GP Capital)」や「青藍資本(Qinglan Capital)」も追加で出資した。

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新型コロナウイルス感染症の大流行以来、SaaS型のビデオサービス企業の人気が急上昇している。ウェブ会議ツール「zoom」は今年に入り株価が5倍以上に急騰し、時価総額が1100億ドル(約11兆6000億円)を突破するなど、SaaS企業の多くが大躍進を遂げている。

その流れに乗り、ワンストップ型のビデオテクノロジーサービスを提供する「百家雲(Baijiayun)」がシリーズBで1億7800万元(約27億6000万円)を調達した。出資を主導した「金浦投資(GP Capital)」のほか、「青藍資本(Qinglan Capital)」「国科嘉和(Cash Capital)」「厚徳前海(Houde Qianhai)」が出資に加わった。百家雲の経営陣と従業員も数千万元(数億円)相当の株式を買い増ししたとのこと。調達した資金は人材獲得や販売ネットワークの拡大、研究開発、事業買収などに充てるという。

2017年に設立された百家雲は、主に教育機関を対象としたワンストップ型のSaaS型ビデオサービスを提供している。オンライン授業、ネットスクール、企業内研修、ビデオ会議などの主力サービスのほか、ソーシャルマーケティングやAIによる映像認識、ビッグデータ処理などの分野にも手を広げている。

これまで中国各地に支社や研究開発センター、事務所を設置してきた。350人を超える従業員のうち技術スタッフが半数以上を占めており、製品のスピーディーな更新と改良を実現している。

教育分野のSaaS企業は特定の顧客への依存度が高いという問題を抱えがちだが、百家雲の収益構造は比較的分散されており、数千を数える顧客のうち単独で10%以上を占める顧客はいないという。

「今回のパンデミックで、ライブ配信などのオンラインサービスは急速に拡大したが、オフラインサービスは大打撃を被った。感染が終息するにつれて、急増したオンラインの売り上げは減少し始め、逆にオフラインサービスが勢いを盛り返してきた。我が社が依然として業績を伸ばせているのは、オンラインとオフラインの業務をバランス良く展開しているためだ。特に多人数クラスのレッスンに関しては数倍の成長が見られている。オンライン教育が浸透したことにより、頭打ちだった業界に新たな可能性が広がったと言える」

さらに百家雲の顧客の継続率はほぼ100%といい、毎年の新規顧客も加味すると全体として50%以上の成長率を保持している。

創業者の李鋼江氏は、最終的に同じような技術に落ち着くとみられる教育業界で頭一つ抜きん出るためには、同じ期間内に多彩な製品ラインナップを打ち出だすことが重要だと考える。「我が社が目指すのはクラウドベースのCRM(顧客管理)サービスを提供する米『セールスフォース』だ。CRMソフトの開発から初めて、川上・川下企業数十社を買収し、最終的には豊富な製品ラインナップを誇る巨大企業へと成長した。この目標に到達するため、私自身も数千万元(数億円)もの資金を投じたし、会社としてもこれまでに3社を合併買収してきた。今後もこの方針を保っていくつもりだ」と李氏は語る。

今回の資金調達について、金浦投資傘下ファンドのパートナー侯昊翔氏は次のようにコメントしている。「百家雲のチームは動画技術やオンライン教育の分野で十分な技術と経験を有している。新型コロナウイルスの流行期には、教育や企業研修のオンラインビデオサービスのニーズをすぐさま満たし、顧客の信頼を勝ち得てきた。今回調達した資金で、さらなる製品の刷新やサービス向上を進め、より広範囲の企業にサポートを提供していくことを期待している」

青藍資本パートナーの任剛氏は次のように語る。「動画のクラウドサービスはコロナ禍によりニーズがさらに増大した。百家雲は確かな技術と高い実行力を持ち合わせており、青藍資本としても出資に参加できることを非常にうれしく思う。我々はクラウドネイティブ時代の大きなビジネスチャンスに期待を寄せており、クラウド技術と産業を融合させた発展の機会を資金面でさらにバックアップしていきたいと考えている」(翻訳・畠中裕子)

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