日本全国を“流し”で巡っている女性シンガーソングライターのメジャー2作目となる両A面シングル。今後、実演型のキャンペーン活動が再開すれば、さらに好きになる人が増えそうな逸材だ。

 本人作詞・作曲の『愛してよ』は、愛を渇望する女性を歌った昭和テイストのマイナー歌謡曲。街外れの喫茶店や赤切れた指が出てくる歌詞を情念たっぷりに歌い、薄幸な感じを増幅させている。

 吉幾三作詞・作曲の『独り言』は、バーに入りかつての恋人を想い出すというバラード。気持ちよく歌い上げられるメロディーは吉幾三節の真骨頂で、おかゆの美しい鼻濁音は、ちあきなおみへのリスペクトをも感じさせる。もう1曲のカップリング『すすきのルルル』はおかゆの自作で、夜の街の哀しさと優しさをリズミカルに歌う。ここでは、少し突き放したような歌唱で、歌によって様々な表情を見せるのも彼女の大きな魅力だろう。

 『すすきの〜』の代わりに、飼っていた鳥を放つことに恋の諦めを重ねた『青い鳥、放つ』収録の“青い鳥盤”と、浅川マキのカバーで人気の『朝日楼』収録の“朝日楼盤”も同時リリース。本作に共感すれば、テクノロジーは進化しても、人の感情の根幹はさほど変わっていないのかもと安心できるはず。

(ビクター・すすきの盤 1364円+税)=臼井孝