今年3月にNTTドコモの新料金プラン「ahamo(アハモ)」やKDDIの新ブランド「povo(ポヴォ)」、無料通信アプリLINE(ライン)を活用したソフトバンクの新ブランドが登場する。いずれもデータ通信の容量が20ギガバイトでKDDIは2480円(税別、以下同じ)、他の2社も2980円と割安だ。20ギガバイトでは、後発の楽天モバイルが4月から1980円に引き下げると発表した。これを機会に自分の携帯料金の見直しを考える人も多いだろう。自分に合ったプランをどう選べばいいのか。各社のサービスをあらためて見渡し、自分の利用状況を点検しながら考えてみよう。(共同通信=松田大樹)

 ▽大手は複数ブランド使い分け

 国内の携帯電話市場はドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社が9割近くを占めている。安定した通信環境と、全国展開の販売店で手厚いサポートを受けられるのが特長だ。

 3社の主力ブランドは、データ通信量の違いで大容量プランと小容量プランに分かれる。2020年秋以降に発表された値下げでは、大容量プランが先行的に対象となった。ドコモは60ギガバイトで月額6550円。対するKDDIとソフトバンクは6580円で、ともに容量無制限のプランを利用できる。

 KDDIは「UQモバイル」、ソフトバンクは「ワイモバイル」という格安ブランドをそれぞれ展開している。別会社で手掛けていたブランドを統合して自社に取り込んでおり、主力ブランドと同一店舗で取り扱っている場合もある。大容量は必要ないという人は選択肢に入れたい。

 ドコモが新料金プランとして先陣を切って発表した「ahamo」やKDDIの「povo」、LINE活用のソフトバンクの新ブランドは、主に若者が対象で、申し込み手続きはオンラインでのみ受け付ける。

 これらの格安ブランドや新プランは、同じ会社内でも家族割が適用されなかったり、携帯会社が運用するキャリアメールが使えなかったりする場合もある。

 第4の携帯会社として20年4月に本格参入した楽天や、独自のサービスを低価格で提供する格安スマートフォン事業者の選択肢もある。

 楽天はデータ容量無制限のプランを月額2980円で利用できる。今年4月からはデータ利用量に応じて料金が変わるプランに切り替わり、20ギガバイト以下は1980円、3ギガバイト以下は980円、1ギガバイト以下は無料になる。端末の購入などで楽天ポイントもたまり、インターネット通販など楽天の既存サービスを使っている場合は相性も良い。通信網は構築途上で、自前の回線が整っていない地域ではKDDIの回線を借りている。こうした地域では、データ無制限は適用されず月5ギガバイトが上限となる点に注意が必要だ。

 格安事業者は基本的に小容量で、自前の回線を持たず大手3社から回線を借りてサービスを展開している。家族でデータ容量を分け合えるタイプのほか、1ギガバイトの半分の500メガバイトから利用できるプランなど、独自色を出す事業者もある。

 通信大手インターネットイニシアティブの「IIJミオ」や、関西電力の子会社オプテージが運営する「mineo(マイネオ)」などが一定のシェアを持つ。

 格安事業者の不安材料は、回線を必要な分だけ借りているため、利用者が多くなる昼休みなどに通信速度が遅くなる場合があることだ。店舗やサービスを絞ってコストを抑えており、契約などの手続きはオンライン主体のところが多い。

 ▽自分の利用状況確認を

 携帯電話料金を見直そうと思い立ったら、まずは契約先の携帯会社から毎月送られてくる明細書や、ウェブサイトのマイページで自分の利用状況の把握から始めよう。

 最初に押さえたいのはデータ利用量だ。月によって差が出ることもあるので半年分ほど調べたい。20年は新型コロナウイルス感染症の流行でテレワークやオンライン授業が定着した。スマートフォンで動画を見て過ごす機会が多くなった人は、利用量が急に増えた可能性がある。

 1ギガバイトで何ができるのか。メールの送受信なら2千通、ニュースサイトの閲覧は3300ページ、動画の視聴なら2〜3時間が目安となる。

 総務省によると、月間利用量が2ギガバイト以下の契約者が約5割を占めている。20年秋以降、大手各社が打ち出した新料金プランは20ギガバイトや容量無制限といった大容量帯が中心だ。恩恵にあずかれるのは、動画投稿サイトやオンラインゲームを長時間利用するといった一部の層に実は限られていることが分かる。

 明細ではデータ利用量とプランの総額だけでなく、通話やメール、アプリの利用料、端末の分割払いといった内訳も確かめよう。見直すべきポイントが浮かび上がってくるはずだ。

 携帯電話料金が分かりにくい要因として、割引やオプションの複雑さが指摘される。携帯各社のテレビCMやウェブサイトでは、各種割引を最大限活用した前提の「最安価格」を宣伝している場合が多く、うのみは禁物だ。

 契約時に「1カ月目は無料」と勧誘されて申し込み、そのままになっているサービスはないだろうか。動画や音楽の見放題、聴き放題など、実際には利用していないのに月額料金を払い続けているものがあれば、店頭やオンラインで解約することを検討しよう。

 通話は人によってオプション契約もお得だ。30秒20円としている携帯会社が一般的で、週に1回1時間の電話をすると仮定すれば月9600円程度かかる計算になる。各社は電話かけ放題のオプションを用意しており、月千〜2千円程度の追加料金で申し込める。逆に普段ほとんど電話を使わない人には割高なので注意が必要だ。

 ▽乗り換えは番号そのまま

 自分に合った料金プランが見つかったら早速乗り換えてみよう。「番号ポータビリティー(持ち運び)制度」を使って、電話番号をそのまま変えずに他社に移行することも可能だ。現在契約している携帯会社に申請して予約番号を取得し、乗り換え先の携帯会社に伝えることで手続きは進む。

 現在のスマートフォンを使い続ける場合は、契約者情報の入った「SIMカード」の制限がかかっていないかどうか確認する必要がある。端末が特定のカードを差し込んだ場合のみ作動する「SIMロック」状態なら、新たな携帯会社のカードを差し込んでも使えない。移行前の携帯会社に解除を依頼しよう。

 乗り換えに合わせて端末を買い替える人は通信規格を選択する。20年3月に始まった高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムを利用するには5G対応のスマホが必要だ。価格は現行規格の4Gに比べて高めとなる。現在の通信速度やカメラの画質で満足している人は、4Gを使い続ける手もある。

 他社に乗り換える場合、キャリアメールは使えなくなるので、あらかじめ関係先に連絡するなど備えが必要となる。

 番号ポータビリティーには現在3千円(税別)の手数料がかかるが、国の指針により21年度からインターネット手続きの場合は無料になる。NTTドコモなど大手3社はさらに進めて電話や店頭手続きも含めた手数料の全面撤廃に動いている。自社ブランド間の移行に関しては、KDDIとソフトバンクが契約事務手数料や契約解除料も無料とすることを決めた。利用者にとっては乗り換えやすい環境が整う。