まずは馴染みのデリD:5から試乗。D:5はヒルダウンにおける制御を採用していないこともあり、ほかのモデルと同じ坂道へのアクセスは叶わなかったが、モーグルではサスペンションを果敢に伸ばして、タイヤを路面に接地させ、それでもグリップを失うと、自然とトラクション制御を行い、ミニバンたる巨体を軽々と前進させてしまう。ディーゼルユニットの扱いやすさに加えて、8速ATの的確なギア比に、改めて感銘を覚えたほどだ。
 さらに次はその名の通り、D:5とは親子といっても良いデリカミニもテスト。同車はすでに存在していたeK Xスペースをベースとしながら、そこに大径タイヤを組み合わせ、オリジナルの設定となるショックアブソーバーを採用。さらにグランドクリアランスを増したボディデザインを組み合わせた。むしろ〝それだけなのだが〟ご覧のように、モーグルではタイヤを浮かせても、そのままアクセルを踏み込んでいるとトラクション制御を行なって、クルマを前進させてしまう。このあたりが、実は発売間際までつくり込まれたとされるデリカミニの専用制御である。もちろんこうしたハードなオフロードへのアタックではなく、スノードライブ時にスタックをした際にその脱出まで想定したものだという。
 アウトランダーPHEVは、そのキャラクターはオフローダーというよりもクロスオーバー的な面を強めているが、それでも不整地ではサスペンションをしっかりと伸ばしてタイヤを接地させるというスタンスを基本としており、タイヤが浮いてしまうとトラクションコントロールが介入するという、手順をなぞる。ただし、ほかモデルと比較すると、グリップを失ってからクルマを前進させるまでに「待ち」ともいえる間が存在しており、制御に頼らないクロカン走行を知っている者からすると、アクセルを踏みっぱなしだと路面を荒らしてしまうんじゃないか?と思えてしまうところ。しかし、アクセルを踏み続けていなければならないという新しいクロカン走行を必要とし、そこに新世代SUVの新しい楽しみ方を感じさせてくれた。
 いずれにしても、それぞれのモデルで、それぞれのモデルらしいオフロード走破性をしっかりと獲得しながらも、そこに、操る楽しさと誰しもが感じ取れる安心感がバランスされていたことが強く印象に残った。

◆デリカD:5

 2007年にデビューした5代目となるモデルで、19年にフェイスリフトを含む大改良が行われたロングセラーモデル。乗用車にも用いられるプラットフォームをベースにしたミニバンでありながら、オフロードも走れるというアドバンテージあり。最新モデルは、ディーゼルエンジン、4WDのみとなっている。
 ベースプラットフォームに準じて、FFをベースとしながらもそこにAWC技術を組み合わせた、電子制御4WDを採用。モードは、フロントのみで走行を行うことで低燃費を期待できる2WD、前後輪のトルク配分をシーンに応じて行う4WDオート、そして、雪道や悪路といった条件の悪いシーンでの走破性をアシストしてくれる4WDロックの3つを設定している。その切り替えはダイヤルによって行なうというものだ。

◆アウトランダーPHEV

 前後にモーターを備えたツインモーター4WDにより、積極的にモータードライブの走りを提案する、クロスオーバーPHEV。走りは、想像以上にスポーティであり、回頭性はすこぶる高いのに、挙動を安定させたままに曲がっていくという、異次元の走りを提供。よりパワーを求める時にはガソリンエンジンのトルクも駆動へと用いられる。
 前後に配置されたモーター、ブレーキ(AYC)、ABS、ASCまで統合的に制御を行うS-AWCを採用。オン、オフ問わず、すこぶる高い回頭性を披露しながら、一方で安定させたままにコーナーを駆け抜けていくという離れ技をもつ。自在にセレクトできるドライブモードは、ノーマル、エコ、パワーに加えて、ターマック、グラベル、スノー、そしてマッドと、合計7シーンを用意している。

◆デリカミニ

 eK Xスペースをベースに、4WD専用装備として大径タイヤやデリカミニ・4WD専用となるショックアブソーバー、そして専用エクステリアデザインによって、仕立てられた軽乗用車、デリカミニ。広い室内と、デリカシリーズゆずりのラフロード走破性をアドバンテージとするが、2WDは雰囲気のみといったポジションにある。
 4WDモデルは、前後の回転差を検知してリアへのトルク配分を行うフルタイム式を採用。スノードライブやぬかるみでスタックしてしまった際に、空転輪にブレーキをかけて前進をアシストしてくれるトラクションコントロール制御もトピック。急な下り坂にて一定速で安心して降りて来られる、ヒルディセントコントロールも標準装備。

三菱自動車 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者 加藤 隆雄氏

 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者である加藤隆雄氏の言葉で印象的だったのは「(三菱自動車は)ほかのブランドと同じようなモデルではなく、お客様に積極的に選んでいただけるモデルをリリースしていきたい」ということ。「今回の新型トライトンも、世界戦略車でなのだから、日本国内の皆さんにも乗っていただきたい、そんな想いからリリースに至った」という。また、アジアクロスカントリーラリーへの参戦も、「ただ単にリザルトに一喜一憂するのではなく、レースに携わる人たちを育てていくことができる場として、実に有効である」と語っていたことも強く印象に残った。
ダカールラリーのレジェンドでもあり、最近ではチーム三菱ラリーアートの総監督でもある増岡 浩さんとともに。増岡さんは自らチェンソーを持つなどして、十勝アドベンチャートレイルのコース設計に携わったという。
  • 三菱自動車
  • THE ALL-NEW MITSUBISHI TRITON:トライトンスペシャルサイト(https://www.mitsubishi-motors.com/jp/products/triton/)

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