「東京ビッグサイト」で行われたイベント、「デザインフェスタ」で販売されたマフィンが騒動を起こしている。

【映像】「栗と生地の周りが濡れていた」問題のマフィン

「ひと口食べただけで吐き気がした」(マフィンの購入者)

 商品の購入者が訴える異変。さらにSNSでもこんな意見が。

「すごく臭い。手のくさい人が作ったのかな?」「冷蔵庫のニオイ移りみたいな。あと納豆のニオイ」

 次々に苦情の声があがった“におうマフィン”。厚生労働省は重篤な健康被害、または死亡原因になりうる可能性が高いとして食品回収の対象とした。

 出店したのは東京・目黒区にある焼き菓子店で、店のSNSではこんな“売り文句”を投稿していた。

「すべて防腐剤、添加物不使用で市販の焼き菓子の半分以下のお砂糖の量で作っており、離乳食完了期のお子様より安心してお召し上がりいただけます」

 砂糖には食品を腐りにくくする効果もあるが、その量を半分以下に抑えられているとアピール。

「私が食べたのはヌチョヌチョという感触、グニャという感触で納豆というのが一番あっている近いイメージ。息子と旦那の食べたマフィンは、逆にボソボソと乾燥したような感じだったと思う。息子にこういう騒動になって聞くと、その後お腹が痛くなって腹痛を起こしくだしたことを教えてくれた」(マフィン購入者)

 問題発覚後の対応にも多くの批判が集まっている。

 11月15日夕方、保健所が目黒区の店舗に立ち入り検査を行った。製造場所の確認や店内の写真撮影など、検査は約2時間半にわたり実施。腐ったような臭いがするマフィンは一体、どのように作られていたのか。取材から、様々な疑問点が浮かび上がってきた。

 まずは製造日についてだ。スケジュール上はイベントの6日前から製造準備に入り、その翌日のSNSでもマフィンを焼いていると投稿していたが、前日に撮影していたカレンダーと比較すると、製造準備の始まりにあった矢印がなぜか消えていた。

「1人で製造をしておりますので、5日間ずっと製造しないと間に合わないため製造し続けておりました」(販売店のSNS)

 これについてインターネット上では、「無添加なら消費期限当日とかじゃないかなぁ」との声があった。

 さらに、その作り置きされたマフィンの保存について店の担当者は、「保管場所はクーラーをガンガンにかけて18℃以下を保っておりましたが、外気温が高かったため何個か傷んでしまった可能性がございます」と投稿している。

 冷蔵庫内での保管ではなく、室内でクーラーの“温度設定頼り”だったようだ。こうした製造工程や保管方法に問題はないのだろうか。食品衛生に詳しい食品問題評論家・垣田達哉氏は次のように話す。

「数日間保存するのが(室温)18℃というのは、食中毒(の危険性)ということからすると適してない」

 専門家も問題視するマフィン騒動。店の担当者は、「お客様への対応を優先させるため、取材にお答えすることはできません」と言う。

 店側は現在、SNSを通じてイベントのマフィン購入者に対し、商品の破棄と返金を呼びかけている。

 一方、出店を許可したデザフェス側もホームページ上で「お騒がせして大変に申し訳ございません。今回の件で体調を崩された皆様には、一日も早いご回復を心からお祈り申し上げます」とコメントしている。(『ABEMAヒルズ』より)