
プライベートの空間から仕事の現場など、多くの場面でAIが活用されるようになった。最近ではSNS「X」上で利用できる「Grok」も話題になり、投稿した内容についてのファクトチェックをGrokに委ねるケースも増えると、便利さを評価する声とともに、その内容について不安視する意見も同時に出ている。「ABEMA Prime」では日々進化するAIと、人間がどう向き合うかを議論。その中では、AIによって人間がボット(bot)化している、さらにはAIが人間の格差社会を助長する可能性についても指摘があった。
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■生成AIによって人々が「ボット化」?

AIの開発競争は、世界中で非常に激しくなっている。どのAIも、基本的には大量のデータを学習し、そこから回答を導き出すことに変わりはない。生き物に例えれば、どのデータを“食べる”かによって、AIはその方向に成長する。生成AIに詳しい情報通信コンサル「企」代表のクロサカタツヤ氏は「大前提として、そもそも生成AIには、まだまだデータが足りない」とし、Grokをファクトチェックする機能として使う上での不安な部分としては、言語の問題を指摘する。「生成AIや自動翻訳は、基本的に英語をベースに作られている世界。Grokが日本語をそのまま学習しているのか、英語に一度翻訳してから学習しているのか、実はわからない」と解説。
仮に日本語で取得したものを英語に翻訳、回答を再度、日本語に翻訳し直してからファクトとして回答している場合「キャッチボールでも、パスでも、いくつか入ったら必ずエラーが出やすくなる。学習データの話、翻訳言語の違いの問題など、まだまだ慎重に見なければいけないのは確か」と、高性能と言われるAIによるファクトチェックであったとしても、まだまだエラーが十分に存在するという認識の必要性を説いた。
実業家・TikTokerの岸谷蘭丸氏は、Xのタイムラインを見たり、自身のアカウントに来るリプライなどを見て、危機感を覚え始めている。「民衆のボット化みたいなものが、すごく進む気がする。今の時代、ここまでGrokが意見を持って『こう思うべき』というところまで教えてくれて、コンテンツもこれだけ多様化されていくと、Xのリプライにいるような人々、民衆がどんどんとボットになっている。社会の生産の外側にいる村人A、Bになっている感覚がすごくある」。
本来、人として考えるべきところを、生成AIに委ねたことによって、そこで伝えられたことをボットのように訴え続ける人が増えているという実感だ。「たぶんボット層と生産層というのが、すごく分かれてきて8割、9割ぐらいのボット層を、生産層がどうコントロールするか、みたいな世界になっていくのでは。コメント欄を見ても、道徳の教科書を丸暗記したようなものもあって『いやいや、ケースバイケースだろう』みたいなことも判断できない人がいっぱいいる。そこにAIの、それっぽくて丸い意見が入ってくると、その人たちの発言は、完全に何かしらの写し鏡にしかならない。情報をしっかり選び、精査する、使うことができる人はいいが、情報を使うのはすごく難しい。僕も含めて言語を操るのも難しいと思うからこそ、民衆が『民衆A、B』という大きな塊になっていくと思う」と述べた。
■生成AIで広がる格差「新しいツールを使いこなす人の割合は、どんどん減る」

この意見に対して、近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「文明の進化に伴って出てくる技術、新しいツールを使いこなす人の割合は、どんどん減っていく」と語る。「一次産業で農機具が出てきた時はみんなが使えたが、AIを適切に使える人、プロンプトがちゃんと言える人はみんなではないから難しい。民主主義とか平等という概念をどう運用するか、人間は問われていく」と、格差が出る現実と、向き合い方の難しさを伝えた。
またクロサカ氏は「生成AIは、人間が普段使っている自然言語、ナチュラルな言葉でいろいろ命令が出せることはすごい。ただ我々は、言葉なんて簡単に使えると思っているが、言葉で戦争が起きてしまうくらいに難しい」とし、その上でAIを使いこなせる人と、そうでない人の格差について踏み込んだ。「生成AIから手に入れよう、あるいは出てきた結果に対して自分が検証しようという能力を持っている人は、ものすごく優秀なスタッフや秘書を何百人も周りに抱えたような仕事の仕方ができるようになる。そういう能力を持っていない方からすると、言われたことを鵜呑みにしてしまい、生産性とかアウトプットの質が変わってくるので、従来になかったぐらい差が大きくなる。これは生成AI全般が、ものすごく格差を開くマシーンになる可能性が高いというか、今そうなりかけている。人間社会としてこれをどう受け止めるかの警戒感が必要だ」。
(『ABEMA Prime』より)


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