梅の主力品種「南高梅」が高値で取引されている。不作傾向から加工業者が確保に奔走しており、和歌山県田辺市内の青果市場では昨年同時期に比べて2倍近い高値になっているという。

 19日夕方、田辺市稲成町の田辺中央青果には、南高梅を積んだ軽トラックが次々と入ってきた。農家は南高梅を専用コンテナに入れ、伝票を受け取って帰っていく。翌日午前7時から始まる競りのため、市場は南高梅のコンテナで埋め尽くされた。19日午前には67トンの南高梅が競りにかけられたという。

 田辺中央青果によると、5月下旬から今月19日までの南高梅の入荷は約800トンで昨年同時期に比べて約20%減。それでも多い日には80トンの入荷があった。価格は1キロ当たりの平均が昨年(約200円)の2倍近い約390円で取引されているという。

 田辺中央青果の那須厚司専務(56)は「この数年来で最も高値になっている。2、3年前は暴落したが、昨年梅干しがダイエットに良いなどと紹介され、販売環境が良くなっていた。そこに今年の不作傾向が絡んで取引価格が上がった」と話す。

 一方、不作傾向から、梅の確保を心配する梅干し加工業者も続出。市内の梅加工業者は「園地に仲買人が訪れ、直接購入するという『露地買い』という今まで表だってなかった仕入れ方をする業者が出てきた」という。さらに「青梅で仕入れるか、梅干しで仕入れるか、業者間の駆け引きが続くと思う」と話す。