和歌山県白浜町の日置川流域にある歴史遺産や自然遺産を保存、活用しようと、地元住民らが「ひきがわ歴史クラブ」をつくった。講演会や現地学習を重ねて語り部も育て、地域の「宝」を後世に残したいという。

 日置川流域には、中世に熊野水軍を率いた安宅氏の城郭群(八つの城跡)や江戸時代の医師・小山肆成の生誕地、地下水路「安居の暗渠(あんきょ)」などが残るほか、伝説や昔話(民話)もある。河口域の約2・36ヘクタールは、甲虫ヨドシロヘリハンミョウの生息地として県の天然記念物に指定されている。安宅八幡神社には県の天然記念物の大きなイチイガシもある。

 有形、無形を問わず、こうした遺産の認知度を高め、自分たちも学んでいこうとクラブを発足させることにした。

 同町日置の日置川拠点公民館で16日に設立総会があり、日置川流域を中心に田辺・西牟婁から約50人が集まった。会長に就いた元町職員の尾崎彰宏さん(70)=白浜町日置=は「この地域には先人が残してくれた遺産が数多くある。クラブの活動を通してその魅力を発信し、地域を元気づけたい」と話した。

 事務局長に就いた冷水喜久夫さん(66)=同町大古=によると、かつては「ふるさと講座」と題した地域の歴史などを学ぶ機会もあったが、参加するのは同じ顔ぶれであることも多かった。尾崎さんらは以前から、団体設立に向けて検討しており、5月には準備会を設置。活動内容などの詳細を詰めていた。