アカウミガメの産卵地、和歌山県みなべ町山内の千里の浜で毎年、ライオン大阪工場(堺市)の社員が、タヌキから卵を守るためのステンレス製の籠を設置している。昨年は砂を掘って卵を完全に覆うように籠を設置したところ、食害はゼロになった。今年も22日に訪れ、新たに自作の籠100個を補充。11個を設置した。

 浜ではNPO日本ウミガメ協議会がアカウミガメの上陸、産卵を調査しており、それを支援する形で、同工場の社員が社会貢献活動の一環として毎年7〜9月、3回ほど浜を訪れ、タヌキに卵が食べられるのを防ぐための籠の設置や調査の補助、浜の清掃をしている。今年で8年目になる。

 協議会によると、かつて籠の設置など対策をしていなかった時には、産卵場所のほとんどがタヌキに荒らされる年もあったが、同工場の協力で対策を講じるようになってから、被害は減少した。

 2015年までは、産卵場所の砂の上に乗せるような形で設置していたが、タヌキは籠の脇から砂を掘って卵を荒らしていたケースもあった。同工場によると、同年は91回の産卵で食害は30カ所(33%)あった。

 そのため、昨年から産卵した場所を掘って卵の場所を確認した上で、そこを覆って、籠がほぼ埋まるような形で設置した。すると、昨季は食害がなくなった。籠は同工場で製作。縦横の長さ約50センチ、高さ約30センチ。今年は新たに籠を100個追加し、これまで使っているのと合わせて約270個になった。

 アカウミガメは砂を掘って、平均50センチくらいの深さの所に卵を産んでいる。今季は21日までに上陸191回、産卵97回を記録。協議会の派遣で調査している学生らが籠を設置しているが、22日は、社員15人が手分けして、未設置だった11カ所で、慎重に卵が見えるまで掘って、かぶせるように籠を設置して埋め戻した。