梅雨が明け、和歌山県紀南地方の沿岸地域の山斜面や民家の庭などで、常緑つる植物ハカマカズラが淡い黄緑色の花を咲かせている。県レッドデータブックで絶滅危惧1B類に分類されている。

 ハカマカズラは亜熱帯―暖帯にかけて分布する。秋には、直径1センチほどの太鼓形の豆ができる。黒くて堅いため、昔から数珠に用いられることが多い。そのため「弯珠(わんじゅ)」とも呼ばれる。和歌山県が本州北限で、田辺湾の神島に自生しており、神島高校の校章にも登場する。県内では田辺市をはじめ、すさみ町や串本町、由良町などに点在して自生する。庭木に植えている人もいる。

 白浜町口ケ谷の男性(56)は十数年前にすさみ町見老津で種子を手に入れた。庭に植えたところ、成長は旺盛で、垣根の茶や柿の木をのみ込むようにつるが伸び、枝葉を茂らせている。「花が咲きだしたのは3年ほど前。自生のものより花が多いと思う」と話す。