「安珍清姫伝説」の清姫が生まれたとされる和歌山県田辺市中辺路町真砂で29日、清姫の菩提(ぼだい)寺である一願寺(福巌寺)と中辺路町観光協会が、清姫の供養祭を営んだ。地域住民ら約60人が参列し、悲恋の娘をしのんだ。

 安珍清姫伝説は平安時代、真砂生まれの娘・清姫と奥州の僧侶・安珍の悲恋物語。地元では、熊野詣での帰りに迎えに来るという約束を破られた清姫が「生きてこの世で添えぬなら、死して思いを遂げん」と、富田川の淵に身を投げて命を絶ったと伝えられる。その一念が怨霊となり、道成寺まで蛇身となって後を追い掛け、鐘に隠れた安珍を焼き殺したともいわれる。

 富田川沿いにある清姫堂で営まれた供養祭では、一願寺の能城妙真住職が読経し、参列者も清姫御詠歌を唱えるなどした後、「清姫の墓」に参った。最後には餅まきもあった。