和歌山大学南紀熊野サテライトが、12月から世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」をテーマにした学部開放授業を開講する。6日に和歌山県田辺市内でオープンセミナーがあり、担当教員の原祐二・システム工学部准教授(39)が「語り部のような人材を育成したい」とアピール。みなべ町や田辺市などでつくる「みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会」(会長・小谷芳正みなべ町長)では両市町の住民らを対象に受講費用を助成する。

 学部開放授業「世界農業遺産」では「みなべ・田辺の梅システム」が2015年12月に世界農業遺産に認定されたことを踏まえ、世界農業遺産や梅システムと生態系の価値について、座学と現地演習で学ぶ。運営費用の一部は推進協議会からの寄付で賄われる。

 オープンセミナーは、同市新庄町の県立情報交流センター「ビッグ・ユー」であり約30人が参加。世界農業遺産の認定申請に関わった原准教授が記念講演した。

 原准教授は、世界農業遺産について「非常に特徴的な土地利用のシステムや景観を持っており、世界的に重要な生物多様性が、農家らの持続的な土地利用によって形成されている」と説明。国内では8地域が認定されていることなどを紹介した。

 梅システムについては、平野が少なく条件の厳しい土地を最大限に活用し、環境を破壊しないような形で長年にわたって梅を栽培し、薪炭林も残して持続的な土地利用をしてきたと紹介。「これは世界的にもモデルになるのではないか」と述べた。

 学部開放授業「世界農業遺産」は12月9日と16日、17日、2月3日に開く予定。18歳以上の社会人を募集しており、定員は先着15人。受講の申請は今月22日から9月14日まで。高校生は大学授業の公開制度を利用できる。