和歌山県は、事業者や団体などに対する立ち入り検査や監査などのうち、事前通知制の44件を抜き打ち制に改める。和歌山市の原薬メーカーへの検査で不正隠しがあったことから、全庁的に立ち入り検査を原則として通知なしにする方針を立て、見直しを進めてきた。仁坂吉伸知事は「不正の発見だけでなく、抑止効果も狙っている」と話している。

 和歌山市の原薬製造大手「山本化学工業」が長年、風邪薬原薬製造などで法違反を続けていた問題がきっかけ。県の立ち入り検査は実施日時などが事前に通知されていたため、不正を隠し、発覚を免れていた。県はこれを教訓に、全庁的に検査や監査が抜き打ちでできないか、見直しを進めた。

 県が実施する「立ち入り検査」「検査」「監査」は244件ある。このうち、事前通知なしは129件だったが、173件に増やす。

 新たに事前通知なしに変更するのは、医薬品製造事業者のほか、火薬類販売業者・貯蔵者▽自動車リサイクル法許可業者▽水道事業者▽金属くず業者への立ち入り検査など。必要に応じて要綱などを改正して順次、移行する。

 一方、法律や規則、条例などで事前通知の定めがある、あらかじめ調書の提出を求める必要があるといった71件は従来通り、通知必要のままとする。