古式捕鯨発祥の地といわれ、小型鯨類の追い込み網漁が行われている和歌山県太地町が、同じく小型鯨類を捕獲しているデンマーク王国の自治領、フェロー諸島にあるクラクスヴィークという町と姉妹都市提携の協定を結ぶ。今月下旬にも締結する見通し。反捕鯨の圧力が高まる中、連携して伝統的な漁の正当性を国際社会にアピールする狙いがあるという。

 フェロー諸島は北大西洋、ノルウェーとアイスランドの間にある18の島からなる群島。面積は約1400平方キロで、30の自治体に区分され、人口は約5万人。約1万9千人が首都のトースハウンに住んでいる。クラクスヴィークは第2の町という。

 太地町では近年、「シー・シェパード」など反捕鯨団体からの圧力が高まっており、9月から始まる追い込み網漁の漁期に合わせて活動家が滞在しており、過去には妨害活動で活動家が逮捕されたケースもある。フェロー諸島でも妨害活動が続いているという。

 このため、太地町は現状を打開しようと、水産庁を通じてフェロー諸島との協定を打診。三軒一高町長が今月下旬にフェロー諸島を訪れて姉妹都市提携を締結する予定だが、9月にクラクスヴィークの町長が太地町を訪れて締結する可能性もある。

 協定書では、それぞれの町が古来より鯨類を含む海洋生物資源に深く依存し、持続的利用を通じて文化伝統を発展させ、アイデンティティーとして確立・維持してきたことを強調。提携をきっかけとして、鯨類を含む資源の持続的な利用を促進するとともに、観光や文化、教育など幅広い分野でも密接に交流することなどを盛り込む予定。