新型コロナウイルスの感染拡大が観光に大きな影響を与える中、閑散期を迎えた和歌山県田辺市龍神村では、宿泊・観光施設が相次いで休業に入ったり、2月からの休業を決めたりしている。休業しない施設も予約がほとんど入っていない状況だが、感染拡大防止の観点から、人を呼び込むためにPRしていくことも難しく、関係者は頭を抱えている。

 龍神観光協会が20〜22日、加盟する民宿や旅館、道の駅など26の宿泊・観光施設の営業状況について調査。毎年この時季は営業していない5施設を除く21施設のうち、すでに休業しているか2月から休業に入るのが7施設あった。
 冬は宿泊や日帰りともに観光客が少ない時季だが、新型コロナの感染拡大による移動の自粛に加えて、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の全国での一斉停止、さらに京都府、大阪府、兵庫県が緊急事態宣言の対象地域になったことが追い打ちを掛けた。各施設ともキャンセルが多く、1、2月はほとんど予約が入っていないという。
 団体客の多い龍神村龍神の宿泊施設「季楽里龍神」では「Go To トラベル」の停止で一気に客足が遠のいた。特に昨年末からの寒波で、高野龍神スカイラインを通って来る高野山方面からの客が、宿泊を取り消したことが響いて1月の宿泊者数は前年の半分以下となるなどし、感染拡大防止という意味からも2月中の休業を決めた。
 同施設の担当者は「3月1日から営業を再開する予定だが、京阪神の新型コロナの動向がどうなるのか、先は不透明。一日も早い収束を願いたい」と話している。
 宿泊施設以外では、龍神村龍神の道の駅龍神「木族館」が1月27日から休業に入った。営業再開は3月1日を予定している。
 同施設も新型コロナや「Go To トラベル」停止の影響で利用者が少なくなったといい、1月に入ってからは前年同期と比べて約6割の減少。緊急事態宣言も影響して、入り込み客の極端な減少に陥っているとして休業を決めた。
 久保正博店長(58)は「冬場はもともと利用者は少ないが、それなりに来店があった。昨年夏以降は団体客を乗せたバスも来たが、12月に入ってからは個人客も含めて減少が目立ってきた。休業で迷惑を掛けますが、理解をお願いします」と話している。
 龍神観光協会の担当者は「どんどん村に来てくださいとは言えない状況。対策がなかなか立てられずに難しいが、コロナ禍でも龍神村に来て楽しんでもらえるような取り組みを探していきたい」と苦慮している。