国指定の特定外来生物で、梅やサクラ、モモなどバラ科の樹木を食い荒らす「クビアカツヤカミキリ」の対策を考える講演会が15日、和歌山県田辺市新屋敷町の紀南文化会館であった。田辺地方での被害は確認されていないが、講師の樹木医は全国での被害の大きさを示し、地域挙げて警戒するよう提言した。
 クビアカツヤカミキリは北ベトナムから南ロシアまでが主な分布地で、ヨーロッパやアメリカでも発生。樹木に入り込んだ幼虫が内部を食い荒らし、繁殖力がとても強いのが特徴。国内での被害は2012年に愛知県で初めて見つかり、15、16年には関東や大阪、徳島でも確認されている。県内では17年8月にかつらぎ町で成虫が捕獲された。田辺・西牟婁や日高郡では梅やスモモの栽培が盛んで、被害が心配されるため、有田市の農薬・農業資材販売会社「西日本グリーン販売」が、14日の紀の川市に続いて講演会を開いた。樹木医の宗實久義さん(兵庫県姫路市)が講師を務めた。
 宗實さんは、クビアカツヤカミキリの特徴や国内での発生状況について説明。特に関東や大阪府内で広がりが大きいことを示し「対岸の火事ではない。全国のどこで発生してもおかしくない。これまでの発生場所は、近くに工業団地があることが多い」と語った。
 被害の見つけ方について、4月から10月にかけ、幼虫が樹木の中に入っていることで発生する大量のフラス(木くず、ふん)、6月から8月にかけては成虫が確認できることを挙げた。被害を防ぐ方法としては、見回りや薬剤駆除、拡散防止も兼ねたネット被覆、被害樹の処分などを示した。「夏場は果実の収穫などで忙しい時期だが、幼虫を取ることが理想だ」と助言した。