紀南県税事務所(和歌山県田辺市)が2017年に新増築された田辺市内の家屋に課税した不動産取得税の税額がすべて誤っていたことが分かった。上村英之紀南県税事務所長らが5日、県庁で記者会見して事実を明らかにし「業務の慣れに対する注意不足、思い込みが重なり、複数の職員によるチェック機能が十分働いていなかった」と陳謝した。当時の担当者2人と上村所長は4日付で県から厳重注意処分を受けた。
 上村所長らの説明では、2017年中に新増築され、18年8月に課税された家屋は88件。その全てに過大、過少の誤りがあった。過大に課税した差額の最高は57万7200円、過少課税の最高は7800円だった。職員が6日から納税者宅を訪問し、差額の還付手続きを進めるとともに、納付を依頼していくという。
 事務所によると、過大課税されたのは43件計231万2200円、過少課税されたのは45件計9万5400円。
 課税標準額の算定基準になる評価額は、市町村から報告される「評点数」に、県が「補正率」を掛けて算出する。しかし、田辺市からはすでに補正した数字が提出されていたのに、当時の担当者が気付かず、誤って再度補正していた。これにより、木造家屋は過少、非木造家屋は過大に課税された。
 県は原則として、市町村に補正前の数字の提出を求めているが、補正後の数字でも注意書きがあれば可としていた。田辺市は少なくとも10年前からそれに従っていたが、県の担当者らが今回分は見落としてしまったという。