風を受けて海上を疾走するヨットの楽しさを多くの人に知ってもらおうと、和歌山県田辺市の田辺ヨット協会は、無料の体験教室を開いている。子どもから大人まで参加できる。協会は「エコなスポーツ。身近な海がもっと好きになるはず」と参加を呼び掛けている。

 協会は1972年設立のスポーツ団体。同市目良のヨットハーバーを拠点に、40〜60代のメンバー10人が活動している。かつては全国大会や国際大会に選手を輩出したが、近年はメンバーも高齢化し、教室参加者も少なくなったという。
 川崎雅啓会長(61)は「ヨットはハードルが高いと思われがちだが、決してそんなことはない」と強調する。競技者として世界を目指すのもよし、家族の交流や高齢になってからの趣味など、さまざまな楽しみ方がある。田辺での約50年の活動では大きな事故は起きていないという。
 教室ではOP(オプチミスト)と呼ばれる子ども向けの小型ヨットや、協会メンバーが所有するヨットを使用する。いずれもエンジンなどの動力はなく、風を操って進む。この感覚をつかむまでが難しいが、子どもの方が上達が早いという。小学1年生くらいから始められる。
 事務局の熊本吉郎さん(56)は小学5年の時に教室に参加し、ヨットに魅了された。79年に地元で開催された全国大会にも出場している。「速い艇なら、元島から白浜の臨海まで、15分で行ける。風との一体感を味わってほしい。月1回の練習でも、1年通えばかなり上達する」と太鼓判を押す。
 11日の教室に参加した田辺市三栖小学校3年の竹下明日夢君は「ヨットからいろんな魚が見られて楽しい。もっと沖に出てみたい」と目を輝かせた。
 定例の教室は4〜11月の第2日曜午前9時〜午後2時。それ以外にも希望があれば、協会メンバーが対応可能な日曜には随時開催している。
 問い合わせは写真共有アプリ「インスタグラム」のメッセージ、またはメール(tanabeyacht@gmail.com)で田辺ヨット協会へ。
■ライフジャケット寄贈

 市民団体「アンドローカル」(事務局・田辺市文里1丁目)は11日、田辺ヨット協会に子ども用のライフジャケット3着を寄贈した。
 アンドローカルは「地元の人が地元を楽しんでこそ、活性化し、住んでみたいという人も増える」として、地域の魅力を体験、発信する活動をしている。事務局の福田聖さんは「子どもたちに自然の魅力に触れてもらうきっかけになればうれしい」と話した。