手話への理解や普及を進めるための手話言語条例が、和歌山県田辺・西牟婁の1市3町で制定された。当事者団体は「うれしい。これを機に、手話が言語であるということを広めていきたい」と話している。

 白浜、すさみ両町議会の9月定例会で、それぞれの町条例制定案が可決された。上富田町は6月、田辺市は2019年9月に制定している。
 条例では、手話を使いやすい環境を整えるための施策に取り組むことを各自治体の責務と明記。手話への理解を深めて施策に協力するよう、住民に努力を求めている。
 田辺・西牟婁の当事者団体「たなべ聴覚障害者協会」(18人)会長の愛瀬貞夫さん(66)=田辺市鮎川=らによると、聞こえない人、聞こえづらい人は、手話だけでなく口元や体の動き、顔の表情も含めてコミュニケーションを取る。しかし現在は、新型コロナウイルスの影響でマスクの着用が求められ、それらが難しくなっている。愛瀬さんは「コロナ禍でさまざまな影響は生じているが、手話への理解が深まるよう前向きに頑張っていきたい」と話している。
 みなべ、上富田、白浜の各町は10月、合同で手話奉仕員の養成講座を始める。20人が受講予定という。
 県聴覚障害者協会によると、同様の条例制定は県内の他自治体でも広がっている。