和歌山県紀南地方の山中で、強毒で知られるトリカブトの一種カワチブシ(キンポウゲ科)が、青紫色の美しい花を咲かせている。県内の自生地は少なく、県のレッドデータブックで絶滅危惧2類に分類されている。
 冷涼な林床を好み、紀南の山中では、50センチ〜1メートルの高さのものが斜面に数十株点在して咲いている。シカが食べないことから、秋の山で目立つ存在となっている。
 和名のブシはトリカブトのことで、金剛山(河内と大和の国境)で最初に発見されたことからカワチと付いている。
 全草に毒があり、特に根の部分が強い。厚生労働省の資料によると、2015年までの10年間で、トリカブトによる食中毒は12件発生して2人が死亡している。ニリンソウやモミジガサと間違えたとみられる。