和歌山県みなべ町の清川公民館前にある駐車場に、丸太で作った華やかなオブジェが登場した。地元の住民団体が、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」の理念である持続可能な里づくりのための道しるべになればと建てた。住民らは「優しい真心をもって次世代に伝えたい」と話している。

 建てたのは「清川里山まつり実行委員会」。駐車場脇に昨年、シダレウメやモモ、サクラ、フヨウを植栽し、今春には水がめを並べ、ハスを植えたり、メダカを放ったりしている。今夏には大賀ハスなどさまざまな種類のハスが白色やピンク色の花を咲かせ、訪れた人を和ませた。
 今回、建てたオブジェはスギの丸太を使っており、高さが約4メートル、周りは107センチ。世界農業遺産のロゴマークが入り、たくさんの実がなったウメの木、平和の象徴といわれる大賀ハスや地域内で咲くアサマリンドウ、キイジョウロウホトトギスのほか、「優しい里の人々」をイメージしたという、ウバメガシの苗木に水をやる女性の図柄などが描かれている。上部には世界平和を願って地球儀、その上に地球を守るという意味でかさを取り付けている。
 図柄を描いたのは神戸市出身で田辺市龍神村在住のエアブラシアーティスト、柴田友助さん(66)。清川にある本誓寺の「ふるさと道場」で昨年秋から制作してきた。「梅システムを次世代に伝えたい」という地域の人の思いを込めて作ったという。
 26日には地域の区長や町の関係者らが参加してオブジェの「建立式」を開いた。
 小谷芳正町長は「清川地域は、世界農業遺産の地であり、ボルダリングやトレイルラン、山岳スポーツが楽しめる地でもある。全国や世界に発信していければと思う」。実行委メンバーの赤松宗典さん(72)は「自然を畏れ敬い、生物と共存共栄する梅システムをアピールし、未来へと継承していきたい。これまで続けてきた梅を作ったり、炭を焼いたりといった営みがそれらにつながり、エコロジーで持続可能な暮らしだと確信している」と話している。