和歌山県は9月30日、県内の新型コロナウイルス「第5波」の感染者を対象にした調査で、ワクチン2回接種によって、感染者数の減少や重症化を防ぐ効果が認められたと発表した。未接種または1回のみの接種者に比べ、感染者の割合が9割程度減少した。

 7月11日〜9月10日の期間中、12歳以上の県民で、未接種と1回接種は36万9314人。このうち感染者は1864人(罹患率0・505%)だったのに対し、2回接種者49万2364人のうち感染者は235人(罹患率0・048%)だった。罹患率を比較すると、2回接種の感染者数減少効果は90・5%になるという。
 さらに、重症度を比べた。接種率が高い65歳以上の高齢者について、2回接種後に感染した107人と、未接種か1回接種後に感染した70人を対象に、9月26日までの経過で最も重い状態をみた。
 未接種・1回接種は「肺炎」「酸素投与」とも29%だったが、2回接種は「肺炎」は15%、「酸素投与」は10%と低下。一方、未接種・1回接種では「無症状」はおらず「軽症」は33%だったが、2回接種では「無症状」5%、「軽症」62%と多かった。
 県福祉保健部の野尻孝子技監はワクチンの2回接種について「感染者を減らし、重症化も予防し、地域の感染拡大防止に効果があると考える」とした。
 ただ、2回接種したとしても、特に濃厚に接触する家族らから感染したり発症したりするケースがあり、個人の免疫反応とウイルスの増殖力によっては死亡する場合もあるため、感染予防対策は引き続き必要だとした。また、無症状や軽症で経過することが多いことから、発見が遅れる可能性があることに注意しなければならないとした。
■「重症化予防の効果大」 抗体カクテル療法
 県は「抗体カクテル療法」を受けた県内感染者の経過も示し「重症化予防の効果は大きい」と発表した。
 県内の病院で「抗体カクテル療法」を受け、9月12日までに退院した178人を調べたところ、57%の101人が無症状や軽症で経過し、集中治療室で治療を受けた人や死亡した人はいなかったという。
 この療法は発症7日以内の軽症者で、重症化リスクが高い人を対象に、医師が判断し、患者の同意を得て使用される。7月20日から全国で使用できるようになり、県内でもコロナ患者受け入れ病院の全てで使用可能という。