文化の日の3日、和歌山県の紀南各地で文化芸術活動の祭典「紀の国わかやま文化祭2021」の催しがあった。田辺市下川下の春日神社では、県指定無形民俗文化財「上野の獅子舞」の奉納があった。
■Tシャツ 潮風にそよぐ 白良浜でアート展
 白浜町の白良浜では、イラストを印刷したTシャツを干すように展示する「Tシャツアート展」が始まった。地域の障害福祉サービス事業所などが出店し、雑貨を販売したり活動を紹介したりする「青空マーケット」も開いている。ともに7日まで。
 アート展では、間伐材で作った棒を砂浜に打ち込んでロープを張り、Tシャツを並べた。海側から時折吹く風で、Tシャツはひらひらとなびいている。車いすでも会場を移動しやすいように延長120メートルにわたってマットも敷いた。期間中の午後5時〜8時には一部をライトアップする。
 初日は穏やかな秋晴れとなり、訪れた人たちは写真を撮っていた。田辺市内から訪れていた高校教員(39)は「青い空と海に白いTシャツが映えて、とてもきれい」と話していた。
 町によると、イラストの応募(有料)は37都府県から計919件あり、一点ずつTシャツに印刷している。売り上げの一部は、Tシャツの製作に携わった障害者の賃金に反映させるという。
■拝殿で「上野の獅子舞」 春日神社今年も規模縮小 田辺市下川下
 田辺市下川下の春日神社では、「上野の獅子舞」が奉納された。例年多くの見物人でにぎわう祭りだが、新型コロナウイルスの影響で関係者のみで神事を営み、境内での披露を取りやめるなど昨年と同様に規模を縮小した。
 紀南の各地では昨年に続いてコロナ禍が影響し、多くの秋祭りで中止や規模の縮小が相次いでいる。
 春日神社では例年、住民や出身者らでつくる「上野の獅子舞保存会」(湯川剛会長、16人)が、境内で「乱獅子」や「花かがり」「扇の舞」などの演目を披露している。だが、昨年からは密を避けるため練習を最低限に控え、境内での披露も取りやめた。
 この日は関係者で神事を執り行った後、五穀豊穣(ほうじょう)や住民の安全を祈願するため、幣や鈴を持って舞う「御神楽(おかぐら)」のみを拝殿で奉納した。
 保存会の湯川会長(55)は「できれば地域の人に見てもらいたかった。2年間本格的な練習や奉納が途絶えているが、ワクチンの接種も進んでいるため、感染対策を徹底した上で徐々に練習を再開し、来年こそは多くの人に練習の成果を披露できたら」と話した。