和歌山県みなべ町の南道と東吉田にまたがる防災拠点エリアに本年度、県内で最大級の備蓄倉庫が建設される。同エリアでは、1次避難所や福祉避難所として800人以上の収容が可能な「みなべ愛之園こども園」に続く施設で、町は「町全体で順次、対策を充実させ、災害に強いまちづくりをしたい」と話している。

 同エリアは、近い将来発生が予想されている南海トラフ巨大地震に備え、南道と東吉田にまたがる高台の小山田地区に整備された。ここで最初に建設されたのは、津波災害の心配がある町内の愛之園保育園と南部幼稚園、南部保育所の3園が統合した「みなべ愛之園こども園」。同園を運営する社会福祉法人と町が協定を結び、津波発生時の住民の1次避難所としてや、地震や風水害などの災害時に乳幼児や障害児、妊産婦など支援を必要とする住民のための福祉避難所として活用される。
 備蓄倉庫は、同エリアの南東に建設される。鉄筋2階建てで、延べ床面積806平方メートル。災害時用の食料や資機材を保管する。事務室もあり、非常用自家発電を備える。事業費は約2億5400万円。
 同町では避難所に指定している町内各地の公民館や小中学校、南部高校などに備蓄しているが、いずれも小規模なため、新しい備蓄倉庫が完成すれば大幅に拡大することになる。町総務課消防防災室は「日高川町や串本町、太地町など各町の備蓄倉庫を参考にして計画した。県内で最大級の備蓄倉庫で、周辺住民を中心に町民のためのたくさんの備蓄品を保管することができる」という。
 2023年度には隣接地に地元の消防団の詰め所を建設し、同エリア北東の防災広場には災害時の簡易トイレ「マンホールトイレ」を設置する。3千人の避難を想定し、40基を計画している。

■工事の安全願う 町や工事関係者ら
 8日には備蓄倉庫工事の安全祈願祭が現地であった。町や工事関係者ら18人が参加し、工事の安全を祈った。
 鹿島神社(みなべ町埴田)の亀井隆行宮司が祝詞を上げ、地鎮の儀では小谷芳正町長や工事を請け負う池田土木(みなべ町芝)の池田智昭社長らが、くわ入れなどをした。その後、参列者が神前に玉串をささげた。
 小谷町長は「東日本大震災をきっかけに、津波に対する備えへの重要性が高まった。まずは子どもを守るために幼稚園や保育所を統合し、移転させた。今度は備蓄倉庫で、一日でも早い完成を願っている。使わなくて済むのが一番だが、心のよりどころになればと思う」と述べた。