和歌山県田辺市龍神村殿原の住民有志が荒れていた休耕田を整備した場所に、阪神大震災で犠牲となった女児にちなんで名付けられた「はるかのひまわり」が黄色い大輪の花を咲かせている。
 「はるかのひまわり」は、家屋が倒壊して亡くなった神戸市の女児、加藤はるかさんの自宅跡に咲いていたヒマワリ。受け継がれた種が全国各地で花を咲かせている。
 種の配布に取り組んでいる「はるかのひまわり絆プロジェクト」(神戸市、松島俊哉代表)によると、育てたヒマワリの種は毎年一部を返却してもらい、翌年全国の希望者に配布している。収穫した種は自身で再配布してもよく、ヒマワリを育てたり、種を配ったりする過程でその由来を伝え、災害の悲惨さと命の尊さについて再考する機会を持ってもらい、防災への取り組みや故郷を守り育む心を醸成することを目的としている。
 昨年自宅前で「はるかのひまわり」を育てた龍神村殿原の杉本町子さん(72)によると、今回開花したヒマワリは昨年収穫した種から育ったもの。帰省していた隣の住民の孫やひ孫と一緒に5月上旬に種をまいたという。30本ほどが成長し、7月中旬から花が咲き始めた。
 昨年採れた種は、地区の希望者にも配ったといい、杉本さんは「今年もきれいに咲いてくれて、うれしい。『はるかのひまわり』を絶やさないよう、種を採って来年もまた咲かせたい」と話している。